議会報告 / 産業・経済

産業・経済 消費税減税と区内飲食店支援について 練馬区議会議員 ももかわ一郎 2025年6月16日

消費税減税と区内飲食店支援について

本会議 一般質問 令和7年06月16日

令和7年6月16日の本会議一般質問で、議員が消費税減税の影響と区内事業者支援、地方消費税減収への対応について質問しています。

※この記事は、議会での質疑をもとにした活動報告です。

食料品消費税ゼロ%は飲食店に消費税負担が激増する筋の悪い政策

トランプ政権の自国ファースト政策と消費税

トランプ大統領が就任したアメリカでは、世界を席巻しているグローバリズムを排除し、高関税、保護貿易により労働供給力を国内に回帰させる経済安全保障、再エネ脱炭素をやめ化石燃料によるエネルギー産業を復興させるエネルギー安全保障、移民の制限による治安の改善と国内の労働力確保などのいわゆる自国ファーストのナショナリズムを重視した政策を進めています。

トランプ大統領が進める高関税措置は欧州や日本が設定する付加価値税(VAT)や消費税を自国の輸出企業に対する還付金優遇とみなした報復措置と言えるもので、日本は米国との関税引下げ交渉に当たりまず自国の消費税減税を交渉材料とすべきものです。

新自由主義的政策と失われた30年

1990年以降の失われた30年と呼ばれる長期のデフレは、消費税が導入された89年以降急速に進められた新自由主義的な政策の失敗です。

新自由主義は経済学者ミルトン・フリードマンが提唱した経済理論で、規制緩和、金融自由化、小さな政府を目指す政策ですが、結果として日本の経済が縮小、貧富の差が拡大し、物価や給料が上がらないデフレが加速しました。

決定的だったのが2007年の小泉・竹中構造改革の郵政民営化で、郵政部門と金融部門が切り離され郵政事業のサービスが後退、一方で個人の郵貯資産350兆円が特別会計の財政投融資から切り離されることで日本人の資産が外資に収奪されていきます。

その後の安倍政権のアベノミクスの金融緩和のみで財政支出を全くせず、他方で度重なる消費税増税で需要がさらに冷え込み結果デフレに拍車がかかりました。

積極財政と減税政策のセットの必要性

やるべきことは国債発行と財政支出による内需の拡大と減税による景気底上げ、いわゆる積極財政と減税政策のセットです。

こうした中、昨年の衆議院選挙を皮切りに消費税減税への議論が高まっており、食料品の消費税をゼロ%とする政策が議論に上がっております。

食料品ゼロ%減税は飲食店の消費税負担を激増させる

これは一般消費者にはメリットがある一方、飲食業においては仕入れの食料品に係る仕入れ税額控除がなくなり、消費税負担が激増するという非常に筋の悪い政策ですが、政府が消費税減税に及び腰な状況を踏まえ、暫定措置として食料品への消費税減税はある程度現実的な政策と思われます。

区は各種の商店街振興のためにキャッシュバック還元事業等を行っていますが、小売業がネットの普及で激減している中、商店街の店舗は飲食店がかなりの割合を占めると推察されます。

さらに食料品ゼロ%減税で食品に係る仕入れ税額控除がなくなり、さらに消費税負担が増えるという状況は看過できないものと考えます

食料品消費税ゼロ%の場合の区内飲食店への支援について

区では区内の飲食店事業者の数や事業規模についてどの程度把握していますでしょうか、また食料品消費税ゼロ%となった場合の区内飲食店への支援として、キャッシュバック事業等で飲食店を支援する取組が検討できないでしょうか。

区内事業所と飲食店の状況

区内事業所数答弁

万を超える

ほとんどが中小規模

飲食店数答弁

1,700

従業員4人以下の割合答弁

キャッシュレス還元率答弁

10

7月1日〜8月10日実施

地方消費税減収分は国が全額補填し東京都も支援強化すべき

地方消費税交付金減額の見込みと社会保障財源

関連して消費税減税に伴う地方消費税の減収分についての対応についてです。

消費税減税が実現した場合、地方消費税交付金の減額が見込まれます。

地方消費税は社会保障に充当すると整理されていますが、区として税収減というデメリットではなく、減税による消費喚起と経済成長メリット、それによる税収の伸びも考慮すべきです。

減税による経済波及効果を見据えるべき

減税を求める声は国民のコンセンサスになりつつあり、地方自治体も経済波及効果や中長期的な税収増を見据え、一時的な地方消費税収入減を理由に減税への動きを鈍化してしまうことはあってはならないと考えます。

消費税減税に伴う地方消費税減収分への対応について

消費税一律5%減税、あるいは食料品ゼロ%となった場合の地方消費税の減収分の影響についてどのように分析されていますでしょうか、また地方消費税が社会保障費に充当されると整理されていることも踏まえ、区として国に対して消費税減収額を国が責任を持って全額補填することを強く求めるとともに、東京都に対しても区への支援強化を要望することが必要と考えますが、区の見解を教えてください。

消費税減税パターン別の練馬区減収試算額

一律5%減税の場合

年90億円程度の減収(答弁)

軽減税率ゼロ%の場合

年30億円程度の減収(答弁)

国の債務残高と財政運営についての区長の認識

区の答弁

<答弁のポイント>

区内には2万を超える事業所があり、飲食店は約1,700件、約6割が従業員4人以下とのことでした。

物価上昇対策と消費喚起のため、10%キャッシュレス決済ポイント還元事業を7月1日から8月10日まで実施し、今後も飲食店を含む中小事業者への支援を適時適切に実施していくとの答弁でした。

消費税減税に伴う練馬区の減収額は、一律5%とする場合で年90億円程度、軽減税率をゼロ%とする場合で年30億円程度と試算しているとのことでした。

国は減税より賃上げを起点とした成長型経済の実現を目指すとしており、区は国の動向を注視し必要に応じて対応を検討するとの答弁でした。

区長は、国の債務残高がGDPの2倍を超え財政運営の選択の幅が狭められている状況に強い危惧を覚えているとの認識を示しました。

石破首相が消費税減税に慎重な発言をしていることに触れつつ、区長は複雑で難しい時代にあっても改革ねりま第三章を必ず成し遂げる決意であるとの認識を示しました。

区の答弁(企画部長)

答弁の全文を読む

私から消費税、物価高騰対策給付金、キャッシュレス決済、練馬城址公園などについてお答えします。

消費税減税に伴う練馬区の減収額は一律5%とする場合で年90億円程度、軽減税率をゼロ%とする場合で年30億円程度と試算しています。

政府は先日閣議決定された経済財政運営の改革の基本方針において、減税政策よりも賃上げ政策こそが成長戦略の要との基本的考え方の下、賃上げを起点とした成長型経済を実現することを目指すとしています。

国の動向を注視し、必要に応じて対応を検討していきます。

区の答弁(産業経済部長)

答弁の全文を読む

私から事業者支援と就労支援、デジタル地域通貨についてお答えいたします。初めに区内事業者への支援についてです。

区内には2万を超える事業所が存在し、そのほとんどが中小規模の事業者です。

卸売業や小売業、飲食サービス業等の区民の日常生活に密着した産業が約3割であり、飲食店は約1,700件、約6割が従業員4人以下となっています。

区民生活への物価上昇による影響を緩和するとともに、区内商店街等での消費喚起につなげるため、10%キャッシュレス決済ポイント還元事業を7月1日から8月10日まで実施します。

区内経済の動向を見極めながら、引き続き飲食店を含め中小規模の事業者に対する必要な支援を適時適切に実施していきます。

質疑のポイントとまとめ

  • 議員は食料品消費税ゼロ%となった場合の区内飲食店への影響と支援について尋ねましたが、区からは区内飲食店数約1,700件などの状況を示した上で、10%キャッシュレス決済ポイント還元事業の実施と今後の適時適切な支援継続について答弁がありました。
  • 議員は消費税減税に伴う地方消費税減収分の国・都による補填を求めましたが、区は一律5%で年90億円程度、ゼロ%軽減税率で年30億円程度の減収試算を示し、国の動向を注視するとの答弁にとどまりました。
  • 区長からは消費税を巡る社会経済状況について、国の債務残高がGDPの2倍を超えていることへの強い危惧と、改革ねりま第三章を成し遂げる決意という認識が示されました。

⇒ 食料品消費税ゼロ%となった場合の区内飲食店への支援、消費税減収額の国による全額補填と東京都への支援強化要望

出典・議事録を見る

本会議 一般質問 令和7年06月16日

発言者 区分 原文抜粋
ももかわ一郎 委員 質問 トランプ大統領が就任したアメリカでは、世界を席巻しているグローバリズムを排除し、高関税、保護貿易により労働供給力を国内に回帰させる経済安全保障、再エネ脱炭素をやめ化石燃料によるエネ…
ももかわ一郎 委員 質問 関連して消費税減税に伴う地方消費税の減収分についての対応についてです。 消費税減税が実現した場合、地方消費税交付金の減額が見込まれます。 地方消費税は社会保障に充当すると整理されて…
前川燿男区長 答弁 お答えいたします。 消費税についてのお尋ねですが、その前提となっている社会経済状況について私の認識をお話しします。 世界は今戸惑いの渦中にあります。トランプ関税による大きな打撃が危…
企画部長 答弁 私から消費税、物価高騰対策給付金、キャッシュレス決済、練馬城址公園などについてお答えします。 消費税減税に伴う練馬区の減収額は一律5%とする場合で年90億円程度、軽減税率をゼロ%と…
産業経済部長 答弁 私から事業者支援と就労支援、デジタル地域通貨についてお答えいたします。 初めに区内事業者への支援についてです。 区内には2万を超える事業所が存在し、そのほとんどが中小規模の事業者で…

質問と答弁の本文は、練馬区議会の会議録の記載をそのまま掲載しています。

会議録の原文は練馬区議会 会議録検索システムでご覧いただけます(上記の会議名と開催日でお探しください)。