議会報告 / 教育・子育て
中学校歴史教科書採択について
本会議 一般質問 令和6年09月11日
令和6年9月11日の本会議一般質問で、議員が令和7年度に改訂される中学校歴史教科書の採択結果や、教科書展示会の周知方法、教育委員の人選プロセスについて質問しています。
※この記事は、議会での質疑をもとにした活動報告です。
自虐史観の教科書が一貫して採択されている
自虐史観の教科書が使われている現状
現在、日本の小中学校の歴史教科書は、教育基本法や学習指導要領に定められた日本の歴史や伝統を愛する内容でない教科書が一貫して採択されています。
特に、明治以降から大東亜戦争までを日本の軍国主義の台頭という視点のみで記述する、いわゆる自虐史観の教科書がいまだに使われています。
近現代史の記述の一例を挙げれば、20世紀初頭の欧米、中国、日本国内での共産主義者の暗躍やヨーロッパにおけるシオニズムの勃興が第1次、第2次大戦を引き起こした要因となったことについて、記載がされている教科書はほとんどありません。
一方で、朝日新聞記者の捏造記事を発端にした南京事件など、根拠の乏しい事案を記述している教科書がいまだに散見されます。
他方、中国共産党・国民党による日本人居留民虐殺事件である通州事件について触れている教科書はほとんどありません。
選ばれなかった歴史文化への愛着
こうした中、8月9日に令和7年度に改訂される中学校歴史教科書の採択が行われました。
結果としては、残念ながら教育基本法や学習指導要領に定められた日本の歴史文化に愛着が持てるような教科書は選ばれませんでした。
また、先日行われた文教児童青少年委員会において、今般の歴史教科書採択についての結果説明と質疑を傍聴させていただきましたが、私が3月の第1回定例会で要望させていただいた教育委員会による教科書選定基準の適正化や定量評価はなされておりませんでした。
委員会質疑での指摘
質疑の中で、ある委員から、先述の私の予算特別委員会での発言を取り上げられ、自虐史観や唯物史観という言及は全く理解できず、パラレルワールドのようだとの発言がありましたが、図らずも私も同様にパラレルワールドに放り込まれたような感覚を抱きました。
そもそも歴史というものは史実からストーリーを提示する学問であり、日本という国がどのような政治思想、哲学的、宗教的バックボーンを持っているかを踏まえ、子どもたちにどのような歴史観を教えていくのかが重要で、その基準については教育基本法や学習指導要領に明確に規定されております。
翻って、現在の歴史教科書にざっと目を通せば、その記述が戦後左翼の階級闘争史観に彩られているのは一目瞭然でありまして、インターネットで幾らでも情報収集が可能な現代にあって、かつ、良識ある議員という立場の方においてすら歴史的な知識が中学生時代から全くアップデートされていない現状を目の当たりにし、自虐史観の教科書で学ぶことの罪深さに暗たんたる気持ちにさせられました。
歴史教育の方針遵守と評価基準の定量化について
区は、教育指導要領、教育基本法に定められている我が国の歴史や伝統、文化に対する愛情を育むという歴史教育の方針を遵守するのでしょうか。
また、予算特別委員会でも質問させていただきましたが、歴史教科書の評価基準は内容に特化し、縄文から近代に至るまでの重要なトピックを評価項目として記載内容を定量的に評価すべきものと考えますが、この点に関して改めて区の見解をお尋ねいたします。
教科書展示会の周知が不十分ではないか
教科書展示会は、教科書センター以外、3か所の区内図書館で開催されていましたが、図書館には告知のチラシ一つ掲示されておらず、職員に聞いてようやく展示場所が分かるといった始末でした。
なるべく区民の目に触れられたくないのかなと邪推してしまうほど不親切な対応でした。
図書館での教科書展示会の周知状況について
担当課はこのような状況を把握しているのでしょうか。
また、今後改善する予定はあるのか、お聞かせください。
教育委員の人事情報の開示期間と所信表明の仕組みについて
教科書採択に当たっては、教育委員と調査員の人選が重要になると考えます。
現在、教育委員の選任については議会で諮られていますが、人事の情報が伝えられるのが前日であり、経歴だけでは評価のしようがありません。
教育委員・調査員の人選と議会への情報提供について
人事の発表から調査する期間をせめて数日から1週間程度設けることはできないのでしょうか。
また、選任される委員について、議会での所信表明や質疑を行う仕組みを導入することはできないのでしょうか。
区の見解をお聞かせください。
区の答弁
<答弁のポイント>
国の検定制度により全ての採択対象図書は学習指導要領に基づき審査されており、法令等の定めから外れた教科書が一貫して採択されている事実はないとの説明でした。
定量的な評価は困難だが、興味関心や発達段階への配慮など客観的な評価基準を設定し、教育委員が協議の上、適切に教科書を決定しているとの答弁でした。
図書館での教科書展示は法定の展示に加え、区独自の取組として実施し、区ホームページや区報、SNSで情報発信に努めたとのことでした。
会場の掲示が奥まった場所にあり分かりにくかったという声もあったため、今後は周知や案内の工夫に努めるとの答弁でした。
教育委員は地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき、区長が議会の同意を得て任命しており、議案書で経歴を示しているとのことでした。
他の特別職の人事案件と同様の取扱いであり、所信表明の実施や議案提出時期の変更など従来の取扱いを変更する考えはないとの答弁でした。
区の答弁(三浦康彰教育長)
答弁の全文を読む
私から、教科書採択についてお答えします。
国は、学校教育法に基づく教科書検定制度により、民間で作成された図書の内容が学習指導要領に基づいた教科書として適切なものであるか審査しています。
採択の対象となる図書は全て検定に合格しているものであり、法令等の定めから外れた教科書が一貫して採択されている事実はありません。
本区では、法令等を遵守の上、教科書採択や教育活動を進めています。
各教科書の内容を定量的に評価することは困難ですが、採択に当たり可能な限り客観性を確保するため、生徒の興味、関心を引き出す工夫があるか、学習の狙いが明確になっているか、発達段階に考慮しているか、分量が適切かなどの評価基準を設定しています。
この基準を基に、保護者や各教科の専門性を有する教員が行った調査研究の成果や展示会に出された全ての意見を参考の上、教育分野に高い識見を有する教育委員が協議し、適切に教科書を決定しています。
図書館での教科書展示は、法定の展示に加え、より多くの方が教科書を閲覧できるよう、区独自の取組として開催したものです。
区ホームページや区報に加え、SNSを活用して情報発信に努めました。
また、会場にはチラシや案内板等の掲示をしていましたが、奥まった場所にあったため一部の方から分かりにくかったという声もいただいています。
今後も展示会の開催について幅広く周知するとともに、会場内での案内がさらに分かりやすくなるよう工夫してまいります。
区の答弁(総務部長)
答弁の全文を読む
私から、教育委員の任命及び職員等についてお答えします。
教育委員は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき、人格が高潔で教育に関し識見を有する者を区長が議会の同意を得て任命しています。
任命に当たっては、幹事長会で議案を提出する旨の説明を行い、議会運営委員会で個名を発表した後、本会議で提案理由の説明を行い、任命同意の御議決をいただいています。
議案書では、候補者の経歴をお示ししています。
他の特別職の人事案件と同様の取扱いであり、所信表明の実施や議案提出時期の変更など、従来からの取扱いを変更する考えはありません。
議会への情報提供については、引き続き丁寧な対応に努めてまいります。
質疑のポイントとまとめ
- 議員は自虐史観の教科書が一貫して採択されているとして、歴史教育の方針遵守と評価基準の定量化を尋ねましたが、区は法令に反した採択の事実はなく、定量評価は困難だが客観的基準により適切に決定しているとの答弁でした。
- 議員は図書館での教科書展示会の周知が不十分ではないかと尋ねたのに対し、区は区独自の取組として周知に努めたが一部で分かりにくかった声もあり、今後工夫するとのことでした。
- 議員は教育委員の人事情報の開示期間の延長や所信表明の仕組み導入を求めましたが、区は従来の取扱いを変更する考えはないとの回答でした。
⇒ 教科書の評価基準を定量的に見直すこと、図書館での教科書展示会の周知を改善すること、教育委員候補者の人事情報を早期に開示し議会での所信表明の仕組みを導入することを求めます。
出典・議事録を見る
| 発言者 | 区分 | 原文抜粋 |
|---|---|---|
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 現在、日本の小中学校の歴史教科書は、教育基本法や学習指導要領に定められた日本の歴史や伝統を愛する内容でない教科書が一貫して採択されています。 特に、明治以降から大東亜戦争までを日本… |
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 教科書展示会は、教科書センター以外、3か所の区内図書館で開催されていましたが、図書館には告知のチラシ一つ掲示されておらず、職員に聞いてようやく展示場所が分かるといった始末でした。 … |
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 教科書採択に当たっては、教育委員と調査員の人選が重要になると考えます。 現在、教育委員の選任については議会で諮られていますが、人事の情報が伝えられるのが前日であり、経歴だけでは評価… |
| 三浦康彰教育長 | 答弁 | 私から、教科書採択についてお答えします。 国は、学校教育法に基づく教科書検定制度により、民間で作成された図書の内容が学習指導要領に基づいた教科書として適切なものであるか審査していま… |
| 総務部長 | 答弁 | 私から、教育委員の任命及び職員等についてお答えします。 教育委員は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき、人格が高潔で教育に関し識見を有する者を区長が議会の同意を得て任命… |
質問と答弁の本文は、練馬区議会の会議録の記載をそのまま掲載しています。
会議録の原文は練馬区議会 会議録検索システムでご覧いただけます(上記の会議名と開催日でお探しください)。