議会報告 / 教育・子育て
共同親権制度の学校対応と周知について
決算特別委員会 令和7年9月30日 全款補充質疑
令和7年9月30日の決算特別委員会全款補充質疑で、令和8年5月までに施行される共同親権制度について、学校現場での対応と区民への周知について質問しています。
※この記事は、議会での質疑をもとにした活動報告です。
共同親権開始後の学校行事における別居親対応について
民法改正による共同親権の導入
令和6年5月に民法等の一部を改正する法律が成立いたしまして、来年令和8年5月までに施行される予定です。
この改正によりまして、離婚後の親権形態に共同親権が新たに導入されまして、父母双方が親権者となる選択肢が加わります。
共同親権では子どもの看護、日常の世話、それから教育方針の決定、医療行為などの同意、財産管理などについて、両親が共同で行うこととなります。
一方で、子どもの日常の世話は現状と同じく、同居親が主に担う看護者として指定することができます。
養育費・面会交流の現状と改正による変化
現状の単独親権制度のもとでは、養育費の支払いを受けている同居親の割合は26%程度、面会交流が実現している割合は3割、面会交流時間の平均は月1回2時間程度ということです。
民法改正では共同親権が選択可能になりまして、養育費の不払いについては養育費債権に先取特権が付与されるなど、不履行の場合は差し押さえが可能になります。
そして、今までは規律化されていなかった別居親と子どもの面会交流も家庭裁判所が間に入って試行的実施が行われることとなりました。
これにより離婚による養育費支払いと親子交流の問題が大幅に改善されることとなります。
学校行事への別居親参加が増える見込み
また、法務省作成Q&Aによりますと、別居親が運動会や卒業式等の学校行事へ参加する行為は、各親権者が単独で参加を判断できるとされておりまして、今までと違って、別居親が学校行事等に参加する場面が増えると想定されます。
学校行事での別居親への対応をどう検討しているか
共同親権開始に当たりまして、小中学校の学校行事における現場での別居親への対応について、今後どのように検討されているのか教えてください。
<答弁のポイント>
学校行事の保護者参加は、これまでも家庭からの申出があれば事情を踏まえて個別に対応してきたとのことです。
共同親権導入後も、文部科学省から通知予定の解説資料をもとに、学校現場で両親による混乱が生じないよう努めるとの答弁でした。
区の答弁(教育指導課長)
答弁の全文を読む
これまでも学校行事の保護者の参加は、御家庭からの申出がある場合には事情を踏まえて個別に対応してきたところでございます。
共同親権導入による学校の対応につきましては、今後も文部科学省から通知予定の解説資料をもとに、学校現場において両親による混乱が生じないよう努めてまいります。
共同親権制度の周知・広報の準備状況について
離婚家庭の子どもの割合と親権獲得の現状
学校では、離婚家庭の子どもが全体の3割程度を占めていると言われておりまして、多くの区民にとって影響があるのが今回の共同親権の開始となります。
離婚に際しまして、現在は母親が親権を獲得する割合が圧倒的に多くて、父親が親権を獲得できる割合は1割程度と言われております。
子どもの連れ去りが一般化している実態
こうした状況もありまして、親権獲得を望む父親が弁護士に相談しますと、周到に準備をした上で、相手に悟られないように子どもを連れて家を出るようにとアドバイスを受けるという実態があります。
今までの単独親権制度ですと、同居実態のある親が主導権を握るケースが多くて、実質的な子どもの連れ去りが一般化している現状があります。
共同親権導入による連れ去り問題への期待
共同親権開始後は、養育実態に関わらず、親権を行使するか選択可能となりますし、こうした連れ去りが今後は違法となるために、今までのような親権を巡る不幸な争いが減少することが期待されます。
共同親権開始に向けた区の周知準備状況について
現状でも、ある程度の対応はしているということで、引き続き新しい制度改正に向けた検討をよろしくお願いいたします。
このような制度改正についての周知、広報について、法務省の制度ポスターなどの掲示あるいは区のホームページの改修など、いろいろな方法が考えられると思いますけれども、区の周知の準備状況について、お伺いいたします。
<答弁のポイント>
23区で最多の取組であるひとり親家庭自立応援プロジェクトで、養育費に関する公正証書やADR費用を助成しているとのことです。
パンフレットや区ホームページで養育費や共同親権を含む民法改正の情報を案内し、11月には離婚前後親支援講座を実施するとの答弁でした。
区の答弁(生活福祉課長)
答弁の全文を読む
23区で最多の取組を実施しています、ひとり親家庭自立応援プロジェクトでは、養育費の取り決めに関する公正証書や調停、裁判、裁判外紛争解決手続、いわゆるADRの費用を助成しています。
養育費の取り決めに関するパンフレットでは、養育費、Q&Aや、子どもの養育に関する合意書の記入例などを記載しており、希望者に配布する他、区ホームページでも閲覧することができます。
また、共同親権を含む民法改正につきましては、最新情報につながるよう、法務省ホームページのQRコードをパンフレットに記載するとともに、区ホームページでも御案内しています。
そのほか、離婚が子どもに与える影響、保護者自身のメンタルヘルスケアなどについて、離婚前後親支援講座を11月に実施します。
プログラムの中では、共同養育や共同親権についても触れる内容となる予定です。
引き続き、父母の離婚後の子の養育のルールなどについての情報を適切に周知してまいります。
離婚後の親権・養育費・面会交流に関する現状の数値
養育費の支払いを受けている同居親の割合質問
26%
面会交流が実現している割合質問
3割
面会交流時間の平均質問
月1回2時間
父親が親権を獲得できる割合質問
1割
離婚前後親支援講座の実施時期答弁
11月
共同親権による継続的な親子交流への期待
共同親権制度の目的は、親子交流の実現にとどまらず、養育時間を分担するという、継続的かつ頻度の高い別居親との交流が想定されています。
共同親権が一般的な諸外国では、週に二、三日の別居親宅への宿泊など、年間120日程度の交流をすることが一般的とのことです。
改正後、離婚後の母親、父親双方が子どもの養育に関わっていくという関係性を構築していくことで、子どもの成長にとっての多様な経験や安心感の創出につながることを期待しております。
質疑のポイントとまとめ
- 共同親権開始後、学校行事に別居親が参加する場面が増えると想定されることから、学校現場での対応を尋ねたのに対し、区はこれまでも家庭からの申出があれば個別対応してきたとし、今後は文部科学省の解説資料をもとに混乱が生じないよう努めるとの回答でした。
- 離婚家庭の子どもが全体の3割程度を占め、父親の親権獲得は1割程度にとどまる現状の中、共同親権制度の周知・広報の準備状況を尋ねたのに対し、区からはひとり親家庭自立応援プロジェクトでの費用助成やパンフレット配布、11月の離婚前後親支援講座の実施などを挙げて説明がありました。
⇒ 共同親権制度の施行に向けて、学校現場での混乱防止と、区民への丁寧な周知を求めます。
出典・議事録を見る
| 発言者 | 区分 | 原文抜粋 |
|---|---|---|
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 令和6年5月に民法等の一部を改正する法律が成立いたしまして、来年令和8年5月までに施行される予定です。この改正によりまして、離婚後の親権形態に共同親権が新たに導入されまして、父母双… |
| 教育指導課長 | 答弁 | これまでも学校行事の保護者の参加は、御家庭からの申出がある場合には事情を踏まえて個別に対応してきたところでございます。 共同親権導入による学校の対応につきましては、今後も文部科学省… |
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 現状でも、ある程度の対応はしているということで、引き続き新しい制度改正に向けた検討をよろしくお願いいたします。 学校では、離婚家庭の子どもが全体の3割程度を占めていると言われており… |
| 生活福祉課長 | 答弁 | 23区で最多の取組を実施しています、ひとり親家庭自立応援プロジェクトでは、養育費の取り決めに関する公正証書や調停、裁判、裁判外紛争解決手続、いわゆるADRの費用を助成しています。 … |
質問と答弁の本文は、練馬区議会の会議録の記載をそのまま掲載しています。
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