議会報告 / 教育・子育て
区立中学校「いのちの授業」の内容について
決算特別委員会 令和8年9月25日 教育費
令和8年9月25日の決算特別委員会(教育費)で、区立中学校で実施されている「いのちの授業」の教材内容について質問しています。
※この記事は、議会での質疑をもとにした活動報告です。
学習指導要領を超える内容は信義則違反ではないか
いのちの授業の経緯
令和5年の公立中学校における性犯罪を契機とするいのちの授業が現在行われております。
過去の議会質疑の中でこの件に言及する質疑があったため、今回授業に使われたスライドを確認しましたところ、明らかに学習指導要領を超えた包括的性教育の内容が書かれておりました。
包括的性教育をめぐる過去の議会質疑
過去の質疑で、他の委員が包括的性教育について何度も実施を求めておりました。
そこまで固執する理由は、主に以下の五つの狙いがあると考えております。
1、伝統的家族観及び性道徳の解体と社会秩序の変革
2、生物学的な性別の放棄とジェンダー思想への誘導による伝統的性規範の破壊
3、既存の性道徳や婚姻制度を男性優位の家父長制による抑圧システムとする洗脳
4、子どもの権利の法制化による保護者の教育権の収奪
5、教育の決定権を学習指導要領から日教組左翼系市民団体主導へと誘導するヘゲモニー闘争
日教組が主導する包括的性教育と良識を優先する学習指導要領との対立は、性行為を義務教育では教えないとする、いわゆる性教育の歯止め規定をめぐる論争として進展してきた経緯があります。
事前提示がなかったとの報告
過去の区の答弁で、学習指導要領を超える性教育を行う場合は、保護者に丁寧に説明、理解、了承を得るとしています。
本件について保護者や関係者へのカリキュラムや資料の事前提示はなかったと報告を得ています。
これは議会答弁における重大な信義則違反と考えます。
学習指導要領を超える包括的性教育の必要性とガイドラインについて
なぜ学習指導要領を超える包括的性教育の内容が必要と判断したのか。また、参照するガイドラインは何か、改めて教えてください。
<答弁のポイント>
区は当初、保護者への事前提示がなかったとの指摘を訂正し、全校全学年で保護者へ通知し、学習指導要領を超える内容を行う旨を明記した上で、生徒・保護者の同意を得て実施していると説明しました。
内容は学習指導要領を基本としつつ、性暴力の被害防止や相談行動につながる内容を補完する必要があるとし、都の性教育の手引や国際セクシュアリティ教育ガイダンスを参考に構成しているとの答弁でした。
区の答弁(教育指導課長)
答弁の全文を読む
まず訂正させていただきます。
全校全学年において、保護者には確実に通知をしてございます。
また、中学2年生におきましては、いのちの授業は学習指導要領を超えた内容を行うということも明記しております。
その上で、生徒そして保護者の同意を得た上で実施しているところを御理解いただきたいと思います。よろしくお願いします。
なぜ学習指導要領を超える包括的性教育の内容を必要とするのかという御質問です。
児童・生徒が性暴力を正しく理解し、被害に気づき、適切に相談できる力を育むためには、学習指導要領に基づく指導を基本としながら、性暴力の被害防止や相談行動につながる内容を補完していく必要があると考えます。
また、プログラムの作成においても、学習指導要領に加え、都が作成した性教育の手引きや国際セクシュアリティ教育ガイダンスを参考としながら、児童・生徒の発達段階や実態を踏まえて内容を構成してございます。
性犯罪防止という当初の目的に沿っていないのは本末転倒
都の性教育の手引(実践編)の内容
学習指導要領と今の答弁でありましたけれども、教育委員会が作成した性教育の手引を参照しているとのことでしたので、ぜひこれを御参照いただきたいです。
東京都教育委員会が作成している性教育の手引、実践編の中学生版には、性被害防止のための指導の指針がきちんと示されております。
内容としては以下のとおりです。
・性犯罪被害の原因や背景の理解
・性犯罪から自らを守るための知識の共有
・講師として警察署を招いた性犯罪被害の事例解説
・自撮り被害や異性を紹介するサイト、SNS情報の解説、指導
とあります。これはまさに子どもたちが自ら性被害に遭わないための知識やノウハウを学ぶことを優先した内容で、本件の授業で真っ先に取り組むべき事項であると考えます。
現在の教材への指摘
一方、現在の教材はこうした点には全く触れておらず、性犯罪に遭わないために性行為やマスターベーション、コンドームの付け方、避妊やアフターピルのことを教えるという、本当に本末転倒で、ばかばかしくて滑稽で常識を疑うような内容です。
今回の校長の生徒への性被害という自らの不手際を利用して、学習指導要領に反する有害な左翼思想で子どもを洗脳しようとする行為は、身内の犯罪行為に対する危機感のなさと言わざるを得ません。
いのちの授業の指導内容を性犯罪防止に特化した内容へ改めることについて
本件の授業が性犯罪を防止するという当初の目的に全く沿っていないのが問題だと思っております。
今後いのちの授業の指導内容について、先ほど御紹介いただきましたガイドラインである教育委員会の性教育の手引に記載のあります性犯罪の理解と自己を守るための情報提供と啓発に特化した内容に改める必要があると思います。
区の見解を教えてください。
<答弁のポイント>
区は、いのちの授業は妊娠の経過や避妊法、人工妊娠中絶等の知識を助産師を講師として学ぶものであり、国が推奨するいのちの安全授業を基にした区独自の心と体の授業を全学年で実施していると説明しました。
性的同意に関する内容の位置づけなど充実を図りつつ、現在の取組を継続する考えとのことでした。
区の答弁(教育指導課長)
答弁の全文を読む
いのちの授業につきましては、中学2年生を対象に妊娠の経過や避妊法、人工妊娠中絶等の知識について学ぶものであり、助産師を講師として実施しているところです。
この取組に加え、国が推奨するいのちの安全授業を基に、区独自の心と体の授業を幼稚園から中学校までの全学年の発達段階に応じて実施しています。
これらの授業は性暴力の被害防止に関する知識に加え、人権や生命の尊重、自他を大切にする態度、他者との適切な関係についても学ぶ内容と考えております。
今後につきましても、いのちの安全教育指導手引の改訂も踏まえ、性的同意に関する内容をそれぞれ学習指導計画に位置づけるなどして、さらなる充実を図り、現在の取組を継続していきたいと考えております。
質疑のポイントとまとめ
- いのちの授業が学習指導要領を超える包括的性教育の内容を含み、保護者への事前提示がなかったとして信義則違反にあたると質したのに対し、区は保護者には全校全学年で確実に通知し、同意を得て実施していると訂正しました。
- 参照するガイドラインを尋ねたのに対し、区は学習指導要領に加え、都の性教育の手引や国際セクシュアリティ教育ガイダンスを参考にしているとのことでした。
- 現在の教材が都の性教育の手引にある性犯罪被害防止の指導内容に触れておらず本末転倒であるとして、内容を性犯罪防止に特化したものへ改めるよう求めたのに対し、区は性暴力の被害防止に加え人権尊重等も学ぶ内容と説明し、現在の取組を継続する考えとのことでした。
⇒ いのちの授業の指導内容を、都の性教育の手引に記載のある性犯罪の理解と自己を守るための情報提供・啓発に特化した内容に改めることを求めます。
出典・議事録を見る
| 発言者 | 区分 | 原文抜粋 |
|---|---|---|
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 令和5年の公立中学校における性犯罪を契機とするいのちの授業が現在行われております。過去の議会質疑の中でこの件に言及する質疑があったため、今回授業に使われたスライドを確認しましたとこ… |
| 教育指導課長 | 答弁 | まず訂正させていただきます。 全校全学年において、保護者には確実に通知をしてございます。また、中学2年生におきましては、いのちの授業は学習指導要領を超えた内容を行うということも明記… |
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 本件の授業が性犯罪を防止するという当初の目的に全く沿っていないのが問題だと思っております。 学習指導要領と今の答弁でありましたけれども、教育委員会が作成した性教育の手引を参照してい… |
| 教育指導課長 | 答弁 | いのちの授業につきましては、中学2年生を対象に妊娠の経過や避妊法、人工妊娠中絶等の知識について学ぶものであり、助産師を講師として実施しているところです。 この取組に加え、国が推奨す… |
質問と答弁の本文は、練馬区議会の会議録の記載をそのまま掲載しています。
会議録は後日公開されます。公開後、この会議の会議録へのリンクを掲載いたします。