議会報告 / 教育・子育て
1日保育士体験事業について
予算特別委員会 令和8年3月2日 こども家庭費
令和8年3月2日の予算特別委員会こども家庭費で、教育評論家・松居和氏が提唱する「1日保育士体験」事業の区内での実施状況と参加者の声について質問しています。
※この記事は、議会での質疑をもとにした活動報告です。
1日保育士体験の実施状況について
松居和氏の講演と「ママがいい」の主張
先日ベストセラー書籍「ママがいい!母子分離に拍車をかける保育政策のゆくえ」の著者で教育評論家の松居和先生の講演を拝聴いたしました。
松居先生の「ママがいい」では、乳幼児教育における親の関わりを、子どもの自尊心の形成と情緒安定の基盤として位置づけております。
子どもは親、特に母親と1対1の愛着関係を通じて、自分は大切な存在と認識して世界の信頼を築く一方、親は子どもから愛される体験で人間性を育むという、双方向性を強調しています。
国の政策が女性就労促進を優先し、保育はサービス産業化することで質の低下を招き、子どもの情緒不安定を増大させていると指摘しております。
先日の著書などでも、乳幼児期の親子関係を通じた親心の育成を強調しています。
1日保育士体験プログラムの内容
その中で推進しているのが、1日保育士体験というプログラムです。
主にゼロ歳児から未就学児童の親、父親、母親を対象にし、保育園や幼稚園で実施するもので、親が保育士の役割を1日体験する形で園児に囲まれて過ごします。
親が園児の日常活動に参加し、読み聞かせや紙芝居、生活習慣の指導、散歩、遊びの見守りなど園児のエネルギーに触れて、子どもたちの喜ぶ姿を直接感じられるというイベントです。
夫婦それぞれ別日で少なくとも1年に1回は参加を推奨しているということでした。
区内での1日保育士体験の実態について
この1日保育士体験事業について、既に練馬区でも実施している園もあると伺っております。実態についてお聞かせください。
<答弁のポイント>
区内の私立保育所等では、保護者や近隣の子育て世帯を招いて交流体験事業を実施しており、1日保育士体験もその一環とのことでした。
昨年度は延べ81施設で延べ645回開催され、参加者は延べ2千人を超えているとの答弁でした。
区立保育所でも同様の事業を行っているとのことでした。
区の答弁(保育課長)
答弁の全文を読む
区内の私立保育所等では、保護者のほか、近隣の在宅で子育てをされている方々をお招きして、一緒に保育に参加していただきながら育児に対する理解を深めることを目的に、様々な交流体験事業を実施しています。
1日保育士体験事業もその一環として行われている事業です。
昨年度は延べ81施設で延べ645回ほど開催されておりまして、参加者も延べ2千人を超えている状況です。
区立の保育所でも同様の事業を行っています。
1日保育士体験事業の実施状況(昨年度)
実施施設数答弁
延べ81施設
開催回数答弁
延べ645回
参加者数答弁
延べ2千人超
参加者の声について
埼玉県「親心を育む会」の取組
先日、松居先生が顧問を務めております埼玉県の保育園等の関係団体、親心を育む会では、1日保育士体験の普及啓発を行っており、実践のためのマニュアルや1日保育士体験の感想などが載せられています。
1日保育士体験は、園のスケジュール等に親が自ら日程を記入していくスタイルだそうです。
最初は親の半数は参加を嫌がるそうですけれども、保育園から子どもが喜びますよと勧められるのと、親が子どもから、ママ、パパはいつ来るのとプレッシャーをかけられることで参加が促されるということでした。
親心を育む会に寄せられた体験談
親心を育む会のホームページには、親の体験談もたくさん載っております。
紙芝居を子どもたちに読んで聞かせるのは会社のプレゼン資料の発表よりもはるかに緊張しましたとか、最初は、みんなと仲よくできるか不安でしたけれども、子どもが好きなので、みんなに○○くんのママと、逆に構ってもらってうれしかったですなどと、感嘆した親の声であふれていました。
区内の1日保育士体験における参加者の声について
81施設で参加者が2千人を超えているということであります。保育現場や親の意識も非常に高いということが分かりました。
現在、区内で行われております1日保育士体験における参加者の声はどのようなものがあったのか、参考に教えていただけますか。
<答弁のポイント>
参加者からは、プロの保育士が子どもと触れ合う視点に感銘を受けた、自分の子育ての参考にしたい、保育園の雰囲気がよく分かったといった声が上がっているとの説明でした。
保育や子育てをより深く理解する場になっていると考えているとのことでした。
区の答弁(保育課長)
答弁の全文を読む
参加された方からは、プロの保育を間近に見て、保育士の子どもと触れ合う視点に感銘を受けた、それから、自分の子育ての参考としたい、保育園がどのような雰囲気なのか大変よく分かった。
そういった声が上がっておりまして、保育の現場をより深く理解する、また、子育てをより深く理解する場になっていると思っております。
親心の育成を通じた子育て支援を区としても推進すべき
練馬区においても親の保育現場に対する感謝の言葉がたくさん述べられているというお話でした。
実際に親がこうして1日保育体験をすることは非常に重要かと思っております。
親心の育成というのは親子関係を強化するために行われているわけですけれども、保育体験を通じて、子どもに親が育てられるという人類にとっての子育ての意味を理解して、親が子どもから信頼され、必要とされる喜びを体験することを念頭に置いています。
現代の長時間保育がもたらす母子分離の弊害、子どもの情緒不安定や家庭崩壊を防ぐための取組としても非常に示唆に富んだものだと考えます。
我々行政としても、こうした子どもたちの保育体験を通じた親心の育成を進めていくべきと考えます。
板橋区でも、松居先生の取組を参考に1日保育士体験事業を展開しているということでした。
こうした1日保育士体験を保育園に任せるだけでなく、今後の乳幼児保育事業のヒントとして生かせるように、区でも積極的な取組を推進していただくよう強く要望して終わります。
質疑のポイントとまとめ
- 区内での1日保育士体験の実施状況を尋ねたのに対し、区は昨年度延べ81施設で延べ645回開催され、参加者は延べ2千人を超えているとの回答でした。
- 区内の参加者の声を尋ねたのに対し、区は保育士の視点に感銘を受けた、子育ての参考になったといった声が寄せられているとの説明でした。
⇒ 1日保育士体験を保育園任せにせず、乳幼児保育事業のヒントとして区でも積極的な取組を推進すること
出典・議事録を見る
| 発言者 | 区分 | 原文抜粋 |
|---|---|---|
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 先日ベストセラー書籍「ママがいい!母子分離に拍車をかける保育政策のゆくえ」の著者で教育評論家の松居和先生の講演を拝聴いたしました。 松居先生の「ママがいい」では、乳幼児教育における… |
| 保育課長 | 答弁 | 区内の私立保育所等では、保護者のほか、近隣の在宅で子育てをされている方々をお招きして、一緒に保育に参加していただきながら育児に対する理解を深めることを目的に、様々な交流体験事業を実… |
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 81施設で参加者が2千人を超えているということであります。保育現場や親の意識も非常に高いということが分かりました。 先日、松居先生が顧問を務めております埼玉県の保育園等の関係団体、… |
| 保育課長 | 答弁 | 参加された方からは、プロの保育を間近に見て、保育士の子どもと触れ合う視点に感銘を受けた、それから、自分の子育ての参考としたい、保育園がどのような雰囲気なのか大変よく分かった。そうい… |
質問と答弁の本文は、練馬区議会の会議録の記載をそのまま掲載しています。
会議録の原文は練馬区議会 会議録検索システムでご覧いただけます(上記の会議名と開催日でお探しください)。