議会報告 / 産業・経済
中小企業の人材不足対策とデジタル地域通貨について
本会議 一般質問 令和6年09月11日
令和6年9月11日の本会議一般質問で、議員が区内中小事業者の人材不足対策と、デジタル地域通貨の導入について質問しています。
※この記事は、議会での質疑をもとにした活動報告です。
職種別マッチングイベントの開催について
不安定な経済情勢と海外投資家の動き
世界的なインフレが続く中、日本の実質賃金は26か月連続で減少を続け、足元の経済はまだまだ不安定な状況です。
8月5日には日経平均が史上最大の下げ幅4,451円安となり、令和のブラックマンデーと呼ばれる暴落が起こりました。
契機となったのが海外投資家の動きです。
8月第1週の海外投資家の日本株の売却額と購入額はそれぞれ31兆円と過去最高を記録し、5,219億円の買い越しとなっています。
一方で、同期間の日本の投資家の取引額は3,229億円の売り越しとなっており、ろうばい売りをした日本人投資家がカモにされている状況がうかがえます。
新NISAと国内経済好転の重要性
政府が進める資産運用立国プランに基づき、2024年から新NISAがスタートし、投資初心者が株式投資に大量に参入していますが、やはり国民全体の資産を金融投資で増やすのは容易でなく、足元の経済の好転によりGDPを増やすことが重要だと考えます。
こうした中、練馬区内事業者の業績向上や新規事業者の育成などが求められています。
深刻化する中小企業の人材不足
特に問題なのが中小企業の人材不足です。
中小事業者の景況調査でも、中学校での給食サービスの人材確保が急務、職員不足で建築工事に遅れが生じているなどのコメントがあり、人材難が切迫した事態となっていることがうかがえます。
また、練馬区の子育て支援事業計画のニーズ調査では、就労中の母親の方も就労時間の日数を増やしたいなどのコメントも多く、総じて就労意欲が高いのが分かります。
現在区が行う有資格者向けマッチング事業
IT業界や建築業界に特化したマッチング機会の提供について
現在、区は企業活動の活性化に向けた支援事業を行っており、例えば看護職員フェア、保育のお仕事フェアなど、有資格者を対象とした地元事業者とのマッチングを行っていますが、職種別、例えば人材不足が深刻なIT業界や建築業界に特化したようなイベントなども開催し、区内労働者と業界の多様なマッチングの機会を提供すべきと考えますが、区の見解や今後の方針についてお聞かせください。
デジタル地域通貨の検討について
商品券やPayPayキャンペーンの効果の限定性
現在、区内の商店街振興のために商品券の交付やPayPayのキャッシュバックキャンペーン等が行われておりますが、どうしても1回の消費、1回の売上げで終わってしまい、効果が限定的です。
できれば区内限定でお金が回るようにするのが理想です。
区内限定デジタル地域通貨の提案
そこで、第一回定例会でも提案させていただきましたが、練馬区内でのみ使えるデジタル地域通貨の発行が有効と考えます。
ブロックチェーン技術を使ったデジタル地域通貨であれば、決済取引の追跡、把握も可能になります。
現在発行されている商品券もデジタル地域通貨で対応が可能です。
また、区立の公共施設、例えばスポーツ施設、文化施設、区民センターや駐車場などの少額料金の支払いをデジタル地域通貨でできるようにすれば、発行した通貨を区内にとどめて還流させることができます。
導入のネックとなるコストと運用の柔軟性
一方、デジタル地域通貨導入のネックとなるのがコストと運用の柔軟性です。
独自開発でやっている自治体もありますが、民間事業者がパッケージとして提供している地域通貨プラットフォームのほうが現実的だと考えます。
利用ポイント付与の柔軟性、スマホタイプやカードタイプを選べる、いろいろなキャンペーン設定が可能など可用性が高く、メリットが大きいです。
経済対策としてのデジタル地域通貨導入の検討について
練馬区においても、今後の経済対策にデジタル地域通貨の検討はされていますでしょうか。
例えば、現在庁内で採用されているLoGoチャットの開発元であるトラストバンク社が提供している地域通貨プラットフォームなどもありますので、ぜひ練馬区においても今後の経済対策にデジタル地域通貨の検討をお願いしたいと思いますが、区の見解をお聞かせください。
デジタル地域通貨導入に関する店舗調査(令和4年度)
参加しない・手数料負担があれば参加しない店舗の割合答弁
8割
令和4年度ポイント還元事業参加店舗への調査
区の答弁
<答弁のポイント>
区は今年度、様々な業種の事業者と求職者をマッチングする交流会や合同説明会を実施し、キャリアコンサルタントによる就職相談も行うとのことでした。
都も建設やIT業界に特化した就職フェアを実施しているとの説明でした。
デジタル地域通貨は地域経済の活性化が期待できる一方、利用店舗を一から募る必要があり、令和4年度の調査では参加しない・手数料負担があれば参加しないとした店舗が合計で約8割だったとのことでした。
導入自治体では運用経費やキャンペーン経費などランニングコストが必要と聞いており、今後も他自治体の動向を注視するとの答弁でした。
区の答弁(産業経済部長)
答弁の全文を読む
私から、事業者の人材確保とデジタル地域通貨についてお答えいたします。初めに、事業者の人材確保についてです。
少子高齢化に伴う労働人口の減少により、多くの業種で人材不足が深刻となっています。
都は、建設やIT業界に特化した就職フェアを実施し、人材確保支援に取り組んでいます。
区内事業者も人材不足に直面していることから、区は今年度、様々な業種の事業者と求職者をマッチングする交流会や合同説明会を実施します。
会場内ではキャリアコンサルタントの相談ブースを配置し、参加された求職者の就職相談にも対応するなど、丁寧に就職活動を支援します。
引き続き、区内事業者の人材確保と求職者の就職活動の支援に取り組んでまいります。
区の答弁(産業経済部長) デジタル地域通貨
答弁の全文を読む
次に、デジタル地域通貨についてです。
デジタル地域通貨は地域経済の活性化などが期待できる一方で、実施には利用店舗を一から募る必要があります。
令和4年度のポイント還元事業の参加店舗へ行った区の調査では、地域通貨導入に対して、参加しない、手数料負担がある場合は参加しないが合計で約8割でした。
また、導入自治体からは、運用経費はもとより、ポイント還元キャンペーンの実施経費など、ランニングコストが必要と聞いています。
デジタル地域通貨は歴史が浅く、様々な課題があることから、今後も他自治体の動向に注視してまいります。
質疑のポイントとまとめ
- IT業界や建築業界に特化した職種別マッチングイベントの開催を求めたのに対し、区は今年度、様々な業種の事業者と求職者をマッチングする交流会や合同説明会を実施するとの回答でした。
- 経済対策としてデジタル地域通貨の導入検討を求めたのに対し、区は令和4年度の調査で参加しない意向の店舗が約8割に上ったことなどを挙げ、他自治体の動向を注視するとの答弁にとどまりました。
⇒ 区内労働者と業界の多様なマッチング機会の提供、及び経済対策としてのデジタル地域通貨の検討を求めます
出典・議事録を見る
| 発言者 | 区分 | 原文抜粋 |
|---|---|---|
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 世界的なインフレが続く中、日本の実質賃金は26か月連続で減少を続け、足元の経済はまだまだ不安定な状況です。 8月5日には日経平均が史上最大の下げ幅4,451円安となり、令和のブラッ… |
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 現在、区内の商店街振興のために商品券の交付やPayPayのキャッシュバックキャンペーン等が行われておりますが、どうしても1回の消費、1回の売上げで終わってしまい、効果が限定的です。… |
| 産業経済部長 | 答弁 | 私から、事業者の人材確保とデジタル地域通貨についてお答えいたします。 初めに、事業者の人材確保についてです。 少子高齢化に伴う労働人口の減少により、多くの業種で人材不足が深刻となっ… |
| 産業経済部長 | 答弁 | 次に、デジタル地域通貨についてです。 デジタル地域通貨は地域経済の活性化などが期待できる一方で、実施には利用店舗を一から募る必要があります。令和4年度のポイント還元事業の参加店舗へ… |
質問と答弁の本文は、練馬区議会の会議録の記載をそのまま掲載しています。
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