議会報告 / 教育・子育て
LGBT居場所事業と包括的性教育について
本会議 一般質問 令和5年12月05日
令和5年12月5日の本会議一般質問で、議員が男女共同参画センターえーるで実施されたLGBT居場所事業と、学校等における包括的性教育の実施方針について質問しています。
※この記事は、議会での質疑をもとにした活動報告です。
主催者側の運営方針に問題があると考える
欧米のアイデンティティポリティクスとLGBT教育の思想的背景
現在、欧米では、セルフアイデンティティを自国の歴史、伝統、文化に求めるのではなく、個人のマイノリティへの帰属意識へと誘導し、既存の文化・社会構造を解体する、いわゆるアイデンティティポリティクスが推進されており、日本もそれに追従しています。
欧米では、差別を恣意的にあおり、言論規制しようとするポリティカルコレクトネスや過激なLGBT教育、包括的性教育、包括的人種理論による宗教や伝統を基盤とする文化の否定、道徳の崩壊による社会の対立・分断が進んでいます。
これらの一連の思想的背景には、戦前のフランクフルト大学の社会主義研究所を源流とする、フランクフルト学派の学者・活動家を中心とした批判理論があります。
これは共産主義イデオロギーの階級闘争が、ジェンダーや人種といったアイデンティティ闘争に置き換わる土台となった政治思想であり、現在のLGBT教育もその一環です。
アメリカにおけるジェンダー・アファーミング・ケアの弊害
このLGBT教育の弊害の事例として、アメリカではジェンダー・アファーミング・ケアと呼ばれる子どもの性別違和に対するホルモン治療や性別適合手術などの医療行為が問題となっています。
これらの治療を受けた子どもたちが、術後に元の体に戻れず、手術を後悔する事例が多発しており、アメリカでは、2022年以降、ジェンダー・アファーミング・ケアを禁止する法案が多くの州で可決されています。
性別違和のあるグループを経年調査した研究でも、子どもの頃に性自認が一致していないと思っていた場合でも、時間経過で性別違和が自然に解消した事例が8割以上だったという研究結果も出ています。
こうした子どもの性の意識を混乱させるような過剰なLGBT教育は、現在のアメリカのような状況を生み出すのではないかと危惧しています。
にじーず主催のLGBT居場所事業をめぐる懸念
こうした中、練馬区では、8月に、にじーず主催のLGBT居場所事業が行われました。
このイベントは、対象者が10歳から23歳と未成年者が参加している、親に了承なく参加が可能、イベント会場に親も区の職員も入れないなど、教育上・防犯上の観点から、主催者側の運営方針に問題があると考えます。
また、当該団体は、過去に大阪で男子とエッチすることのある男子集まれと銘打ったイベントを開催しているとのことで、区の事業運営者としてふさわしくなく、子どもに対するグルーミングを疑われるようなイベントを実施すべきではないと考えます。
LGBT居場所事業の開催経緯と団体選定理由について
今回のイベントの開催経緯、当該団体を選定した理由と、今後も同様のイベントが開催される予定があるのか、お伺いいたします。
居場所事業の実施概要
実施日答弁
8月6日
午後1時から5時
参加者答弁
12名
区内中学生など
学習指導要領の方針から逸脱した教育・啓発の弊害について
アメリカにおける包括的性教育をめぐる対立
アメリカにおける性教育では、小学校低学年から避妊や性交渉を教える包括的性教育派と、小学生にはそれらを教えない自己抑制的性教育派が激しく対立しています。
一部の州では、過激な包括的性教育が悪影響を及ぼしているとの批判が相次ぎ、性的指向と性自認、性的少数者への言及を含む性教育を禁止しています。
日本の学習指導要領と性教育の歯止め規定
現在、日本でも、学習指導要領で年齢段階に応じた性教育が行われており、小中学生には、妊娠の経緯、性交渉は取り扱わないとする性教育の歯止め規定を設けています。
一方、LGBT教育などでは、性自認、性指向への啓発がされており、必然的に異性・同性間の性行為への興味づけがされてしまいます。
男女共同参画課や男女共同参画センターえーるで行われている各種イベント、教材・図書において、LGBTへの理解を深めるという名目の下、今後こうした包括的性教育に基づく教育啓発が行われていくのではないかと危惧しております。
包括的性教育に基づく教育啓発の実施予定について
このような、学習指導要領に記載の段階的性教育の方針から逸脱した特定のイデオロギーに基づく教育・啓発を、区の事業として実施することの弊害について、どのようにお考えでしょうか。
また、学校の現場でこうした包括的性教育を実施する予定はあるのでしょうか。お答えください。
区の答弁
<答弁のポイント>
区は当事者団体と協議し、本年8月6日に男女共同参画センターえーるで居場所事業を試行的に実施し、区内の中学生など12名が参加したとの説明でした。
区報やホームページ、区立中学校でのチラシ配布など広く周知した上で実施し、当日は区職員が進行状況を確認しており、グルーミングが疑われるようなことはなかったとの答弁でした。
今後も実施方法を工夫して居場所事業を行っていくとのことでした。
区は、小中学校では学習指導要領に基づき保健分野を中心に発達段階に応じた指導を行っていると説明しました。
学習指導要領に示されていない内容を実施する場合は、東京都教育委員会の性教育の手引に基づき、保護者への丁寧な説明と理解・了承を得るなど慎重に対応するとし、全ての学校が一律に実施するものではないとの答弁でした。
今後はLGBT理解増進法に基づく国の基本計画や指針も踏まえて教育・啓発を実施していくとのことでした。
区の答弁(総務部長)
答弁の全文を読む
私から、性的少数者に関する御質問にお答えします。
性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解を増進するため、LGBT理解増進法が本年6月に公布、施行されました。
同法では、地方公共団体は、国民の理解の増進に関する施策を策定し、実施するよう努めることが規定されています。
また、各学校の設置者には、児童・生徒の理解増進に向けて、教育または啓発、教育環境の整備、相談の機会の確保等に努めることが規定されています。
男女共同参画センターえーるでは、性的マイノリティに関する相談を行っており、小中学生などから、心と体の性の不一致や家族に打ち明けることなどについて深く悩んでいる、相談相手がいないため孤独を感じているといった声が寄せられています。
区は、1人で悩みを抱え、孤立しがちな若年層LGBT当事者を支援するため、当事者団体と協議する中で、共催で本年8月6日午後1時から5時に、えーるにおいて試行的に居場所事業を実施し、区内の中学生など12名が参加しました。
参加者からは、自分のことを話せてよかった、楽しかったのでぜひまた参加したいといった声が寄せられています。
この事業は、区報や区公式ホームページの掲載、区立中学校等でのチラシ配布など、区民に広く周知した上で実施しています。
当日は区の職員が進行状況を随時確認しており、子どもに対するグルーミングが疑われるようなことはありませんでした。
今後も、当事者の相談の機会を確保するため、実施方法等を工夫して居場所事業を行ってまいります。
LGBT理解増進に関する教育啓発については、現在小中学校で学習指導要領に基づき、保健分野の学習を中心として、子どもたちが性に関する正しい知識を身につけ、適切な意思決定や行動選択ができるよう、発達段階に応じた指導を行っています。
性行為や避妊などの学習指導要領に示されていない内容を校長の判断により実施する学校では、平成31年3月に東京都教育委員会が配布した性教育の手引に基づき、児童・生徒の実態を十分踏まえ、保護者に丁寧な説明をした上で、理解・了承を得て実施するなどの慎重な対応を行うこととしています。
児童・生徒の身体的・精神的発達や、それぞれが持っている性に関する知識の個人差に十分配慮する必要があるため、全ての学校が一律に実施するものでありません。
今後、LGBT理解増進法に基づく国の基本計画や指針も踏まえた上で、教育・啓発を実施してまいります。
質疑のポイントとまとめ
- 議員はにじーず主催のLGBT居場所事業について、対象者に未成年が含まれ親の了承なく参加可能な運営方針に問題があるとして開催経緯と団体選定理由を尋ねましたが、区は区内中学生など12名が参加し、区職員が進行を確認しグルーミングが疑われることはなかったとの答弁でした。
- 議員は学習指導要領の段階的性教育の方針から逸脱した特定のイデオロギーに基づく教育・啓発の弊害について見解を尋ねましたが、区は学習指導要領に基づき発達段階に応じた指導を行っており、全ての学校が一律に実施するものではないとのことでした。
⇒ LGBT居場所事業の運営方針の見直しと、学習指導要領の方針から逸脱した教育・啓発を区の事業として実施しないことを求めます。
出典・議事録を見る
| 発言者 | 区分 | 原文抜粋 |
|---|---|---|
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 現在、欧米では、セルフアイデンティティを自国の歴史、伝統、文化に求めるのではなく、個人のマイノリティへの帰属意識へと誘導し、既存の文化・社会構造を解体する、いわゆるアイデンティティ… |
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | アメリカにおける性教育では、小学校低学年から避妊や性交渉を教える包括的性教育派と、小学生にはそれらを教えない自己抑制的性教育派が激しく対立しています。 一部の州では、過激な包括的性… |
| 総務部長 | 答弁 | 私から、性的少数者に関する御質問にお答えします。 性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解を増進するため、LGBT理解増進法が本年6月に公布、施行されました… |
質問と答弁の本文は、練馬区議会の会議録の記載をそのまま掲載しています。
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