議会報告 / 医療・福祉

医療・福祉 新型コロナ感染症対策の総括について 練馬区議会議員 ももかわ一郎 2023年12月5日

新型コロナ感染症対策の総括について

本会議 一般質問 令和5年12月05日

令和5年12月の本会議一般質問で、議員は新型コロナウイルス感染症対策について、マスク着用やワクチン接種の効果、超過死亡者数の増加、予防接種健康被害救済制度、パンデミック条約の動向について質問しています。

※この記事は、議会での質疑をもとにした活動報告です。

マスク着用の感染予防効果には否定的な研究結果が大勢との指摘

3年に及ぶマスク着用の非科学的対応

2019年末からの新型コロナウイルス感染症については、2020年2月から感染症2類に指定されたことに伴い、緊急事態宣言による飲食店等への休業要請、マスク着用、黙食、手洗い、ワクチン接種など、様々な感染症対策が行われてきました。

しかし、その内容は甚だ非科学的な対応であったと言わざるを得ません。

例えば、3年にも及ぶマスク着用の効果です。

マスクの感染予防効果については否定的な研究結果が大勢となっています

デンマークの大規模試験とメタ解析

2020年4月から5月にデンマークの住民6,000人以上を対象とした大規模なランダム化比較試験が行われ、マスク着用群の感染リスクは非着用群と比べて有意に減少せず、つまりマスクに感染予防効果がないことが示されました。

また、複数のメタ解析でも、マスクの感染予防効果が疑問視される結果が出ています。

マスク着用等の感染症対策に感染予防効果があったのかについて

練馬区でも行われたマスク着用等の感染症対策について、果たして感染予防効果があったのか、統計データ等から分析した区の所見を伺います。

マスク着用効果に関する質問側と答弁側の研究結果の比較

デンマークの試験(質問)

6,000人以上対象のランダム化比較試験

マスク着用群と非着用群で感染リスクに有意差なし

厚労省・米研究(答弁)

着用者の感染リスクは0.84倍(2週間観察で0.76倍)に低下

着用者10%増加で流行制御が3.53倍しやすくなると推定

効果の不明な感染症対策を検証・見直しなしに繰り返すのかとの疑問

ワクチン接種率と感染者数の関係

また、感染症対策として、大規模に行われたワクチン接種に関しても、その感染予防効果には疑問があります。

日本では他国よりもワクチン接種率が高く、世界でほとんど打っていないオミクロン対応ワクチンの接種率が5割を超えているにもかかわらず、2022年の感染者数が世界一を記録しました。

練馬区モデル総括の課題

長期間の感染症対策について、統計データに基づく検証と、PDCAサイクルによる見直しが行われているのか疑問です。

練馬区モデルの総括においても、ワクチン接種体制や医療インフラの構築などが成果として挙げられていますが、感染予防対策の効果については触れられていません。

新型コロナウイルスの感染症対策において、自治体には、国が定める基本方針に基づき、地域の実情に応じた独自の対策を実施する裁量が認められています。

統計データに基づく検証とPDCAサイクルによる見直しについて

今後、同様の感染症パンデミックが発生した場合も、今回のような効果の不明な感染症対策を検証、見直しなしに繰り返すことになるのでしょうか

区の所見を伺います。

ワクチン接種率と感染者数に関する議員の指摘

オミクロン対応ワクチン接種率質問

5割超

世界でほとんど打っていない中での接種率

2022年感染者数質問

世界一

超過死亡者数の激増と2019年比較での練馬区死亡者数について

超過死亡者数の異変

少子高齢化とは別の要因で、現在、日本の人口減少が加速しています。

新型コロナ感染症が始まった翌年、ワクチン接種が始まった2021年から人口動態に異変が発生しており、2021年以降、対前年同月比の超過死亡者数が激増しています。

2019年と比較して、超過死亡者数は、21年から23年の直近までで36万人ペースとなっています

通常、人口動態、死亡者数は、年齢ピラミッドの推移から容易に予測可能ですが、この3年間は大幅に乖離して増加しています。

2019年比較での死亡者数の状況と増加原因について

2019年比較での2021年と2022年の練馬区の死亡者数の状況を教えてください。

また、死亡の増加の原因について、区としてはどのように分析されていますでしょうか。お答えください。

超過死亡者数(全国)と練馬区の死亡者数の比較

超過死亡者数(21〜23年)質問

36万人ペース

2019年比較

区の死亡者数(令和元年)答弁

6,204

区の死亡者数(令和3年)答弁

6,550

346名増加

コロナワクチン健康被害認定者数は過去50年累計の2倍以上に拡大

全国の健康被害認定者数の拡大

令和5年11月17日現在、全国の健康被害認定者数は5,087件、うち死亡者数は337件となっていますが、この数字は、コロナワクチン以外の予防接種に係る過去50年間の累計認定死亡者151件の2倍以上となっており、被害が拡大しています

練馬区における予防接種健康被害救済制度の申請・認定件数について

関連して、予防接種健康被害救済制度についてもお伺いします。

予防接種健康被害救済制度について、練馬区における直近の申請件数と認定件数を教えてください。

また、健康被害救済制度について、今後の区の方針も併せてお伺いします。

コロナワクチン健康被害の全国累計と練馬区の申請・認定件数の比較

全国健康被害認定者数質問

5,087

令和5年11月17日現在

全国死亡認定者数(コロナワクチン)質問

337

過去50年累計認定死亡者数質問

151

コロナワクチン以外

練馬区の申請件数答弁

49

練馬区の認定件数答弁

17

審議結果21件中

WHOの権限強化は国家主権を超越するもので断固許されないとの主張

パンデミック条約とIHR改正の内容

また、現在、WHO、世界保健機関では、パンデミックの予防、備え及び対応に関するWHOの新たな法的文書、いわゆるパンデミック条約の制定及びIHR、国際保健規則の改正が来年5月のWHOの総会において行われる予定となっています。

この改正案では、WHOを勧告を行う諮問機関から法的拘束力を持つ統治機関へ変更、条文中の基本的人権への尊重の文言削除、医薬品供給に関するWHOの権限強化、ワクチン接種証明、接種者追跡を義務づける強制医療権限の付与等々、国家主権を超越するかのような二国間条約の締結や、政府の権限を一民間諮問機関であるWHOに移譲するような改正が行われようとしています。

基本的人権への懸念

このような基本的人権に抵触し、国民生活にも重大な影響を及ぼすことが懸念されるWHOの権限強化は断固許されないと考えます

パンデミック条約及びIHR改正に関する国との連絡調整・情報収集について

区は、こうした動きについて、WHOとの窓口として指定されている内閣感染症危機管理統括庁や、厚生労働省大臣官房との連絡調整、情報収集はされているのでしょうか。

また、感染症対策として、区が行うこととなる業務について、検討や情報収集等、行われているのでしょうか。お答えください。

区の答弁

<答弁のポイント>

厚生労働省アドバイザリーボードの知見やアメリカの研究を引用し、マスク着用は流行対策として有効であるとの答弁でした。

国が高齢者や妊婦等に着用を推奨しており、区ホームページでも周知しているとのことでした。

感染症法改正により区でも感染症予防計画を策定することとなり、ワクチン接種練馬区モデルが全国標準となった一方、都の入院調整が機能しなくなるなど一部混乱が生じたとの説明でした。

新型インフルエンザ等感染症対策ネットワーク会議で意見を聞き、今年度末の策定に向け検討を進めるとのことでした。

区の死亡者数は令和元年6,204人、令和3年6,550人で346名増加し、死因別割合はがん、心疾患、老衰の順で傾向に変化はなかったとのことでした。

国立がん研究センターによると、コロナによる直接的死亡率増加や医療逼迫による治療先延ばしが要因として指摘されているとの説明でした。

コロナワクチン接種後の健康被害救済制度において49件の申請があり、うち21件の審議結果が出て17件が接種による健康被害と認定されたとの答弁でした。

今後も制度の周知と丁寧な対応を行うとのことでした。

世界保健機関がパンデミック条約の採択及び国際保健規則改正に向けて準備を進めており、進捗状況は外務省や厚生労働省のホームページに掲載されているとの説明でした。

国の動向を注視していくとのことでした。

区の答弁(健康部長) 感染症対策

答弁の全文を読む

次に、感染症対策についてです。初めに、マスク着用についてです。

厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの知見によると、マスクを着用している人の週当たりの感染リスクは、着用していない人の0.84倍に低下し、観察期間を2週間にすると、0.76倍に低下すると推定されるとの報告がされています。

また、アメリカにおける研究でも、マスクを着用している人が10%増加することにより、着用しない場合と比較して、流行を3.53倍制御しやすくなると推定されており、流行対策の一部として、マスク着用が有効であるとされています

令和5年3月から、マスク着用は個人の判断が基本となりましたが、高齢者や妊婦、基礎疾患を有する方や、医療機関の受診や混雑した電車・バスに乗車するときなどは、感染症防止対策に効果があるとして、国が着用を推奨しており、区ホームページでも周知しています。

区の答弁(健康部長) 今後の感染症対策

答弁の全文を読む

次に、今後の感染症対策についてです。

新型コロナ対応を踏まえて、昨年12月に感染症法が改正され、保健所設置区市と都道府県、医療機関等との連携を強化し、平時から感染症の発生及び蔓延に備えるため、これまで都に策定が義務づけられていた感染症予防計画を区でも策定することとなりました。

新型コロナ対応では、練馬区医師会との連携により開始したワクチン接種練馬区モデルは、全国標準となりました。

一方で、都が担う入院調整が機能しなくなるなど、一部に混乱が生じました

計画策定に当たっては、こうした成果と課題を踏まえ、新興・再興感染症に備えて、地域の関係機関とのさらなる連携の強化や、都区の役割分担を明確にしておくことが必要であると考えます。

今後、医師会、歯科医師会、薬剤師会、病院、介護関係者などで構成する新型インフルエンザ等感染症対策ネットワーク会議で御意見を頂き、今年度末の策定に向けて検討を進めてまいります。

区の答弁(健康部長) 区の死亡者数の推移

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次に、区の死亡者数の推移についてです。

区の死亡者数については、令和元年は6,204人、令和3年は6,550人で、346名増加しました

死因別割合で見ると、がん、心疾患、老衰の順で、この傾向に変化は見られませんでした。

なお、令和4年の死亡者数については、来年3月に確定する見込みです。

国立がん研究センターによると、令和3年に全国の死亡者数が増加した要因として、新型コロナウイルス感染症による直接的な死亡率の増加や、医療逼迫などにより、不要不急の治療が先延ばしにされるなど、医療・保健サービスに影響が及んだことが指摘されています。

区の答弁(健康部長) 予防接種後の健康被害救済制度

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次に、予防接種後の健康被害救済制度についてです。

これまでコロナワクチン接種後の健康被害救済制度において、49件の申請がありました。

そのうち21件の審議結果が出ており、17件がコロナワクチン接種による健康被害であると認定されています

今後も制度について、区民や医療機関に周知していくとともに、御相談を頂いた際には、丁寧に対応してまいります。

区の答弁(健康部長) パンデミック条約及び国際保健規則

答弁の全文を読む

次に、パンデミック条約及び国際保健規則についてです。

現在、世界保健機関がパンデミック条約の採択及び国際保健規則改正に向けて準備を進めています。

進捗状況は、外務省や厚生労働省のホームページに掲載されています。国の動向を注視してまいります

質疑のポイントとまとめ

  • マスク着用の感染予防効果について、議員はデンマークの大規模試験等を根拠に否定的な研究結果が大勢と指摘したのに対し、区は厚労省アドバイザリーボードや米研究を根拠に流行対策として有効との答弁でした。
  • ワクチン接種率が高いにもかかわらず感染者数が世界一だったことから、効果の不明な対策を検証なしに繰り返すのかを尋ねたのに対し、区は感染症予防計画を策定し都区の役割分担を明確化していくとのことでした。
  • 2019年比較での超過死亡者数の増加原因を尋ねたのに対し、区からは令和3年の死亡者数が346名増加したことを示し、コロナによる直接的死亡やコロナ禍での医療逼迫の影響を国立がん研究センターの指摘として説明がありました。
  • 予防接種健康被害救済制度の練馬区の申請・認定件数を尋ねたのに対し、区は申請49件、認定17件と答弁し、今後も制度の周知と丁寧な対応を行うとのことでした。
  • WHOのパンデミック条約・IHR改正について国との連絡調整や情報収集の状況を尋ねたのに対し、区は国の動向を注視すると答弁するにとどまりました。

⇒ 統計データに基づく感染症対策の検証とPDCAサイクルによる見直し、及びWHOのパンデミック条約・IHR改正に関する国との連絡調整・情報収集を求めます。

出典・議事録を見る

本会議 一般質問 令和5年12月05日

発言者 区分 原文抜粋
ももかわ一郎 委員 質問 2019年末からの新型コロナウイルス感染症については、2020年2月から感染症2類に指定されたことに伴い、緊急事態宣言による飲食店等への休業要請、マスク着用、黙食、手洗い、ワクチン…
ももかわ一郎 委員 質問 また、感染症対策として、大規模に行われたワクチン接種に関しても、その感染予防効果には疑問があります。 日本では他国よりもワクチン接種率が高く、世界でほとんど打っていないオミクロン対…
ももかわ一郎 委員 質問 少子高齢化とは別の要因で、現在、日本の人口減少が加速しています。 新型コロナ感染症が始まった翌年、ワクチン接種が始まった2021年から人口動態に異変が発生しており、2021年以降、…
ももかわ一郎 委員 質問 関連して、予防接種健康被害救済制度についてもお伺いします。 令和5年11月17日現在、全国の健康被害認定者数は5,087件、うち死亡者数は337件となっていますが、この数字は、コロ…
ももかわ一郎 委員 質問 また、現在、WHO、世界保健機関では、パンデミックの予防、備え及び対応に関するWHOの新たな法的文書、いわゆるパンデミック条約の制定及びIHR、国際保健規則の改正が来年5月のWHO…
健康部長 答弁 次に、感染症対策についてです。 初めに、マスク着用についてです。 厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの知見によると、マスクを着用している人の週当たりの感染リ…
健康部長 答弁 次に、今後の感染症対策についてです。 新型コロナ対応を踏まえて、昨年12月に感染症法が改正され、保健所設置区市と都道府県、医療機関等との連携を強化し、平時から感染症の発生及び蔓延に…
健康部長 答弁 次に、区の死亡者数の推移についてです。 区の死亡者数については、令和元年は6,204人、令和3年は6,550人で、346名増加しました。死因別割合で見ると、がん、心疾患、老衰の順で…
健康部長 答弁 次に、予防接種後の健康被害救済制度についてです。 これまでコロナワクチン接種後の健康被害救済制度において、49件の申請がありました。そのうち21件の審議結果が出ており、17件がコロ…
健康部長 答弁 次に、パンデミック条約及び国際保健規則についてです。 現在、世界保健機関がパンデミック条約の採択及び国際保健規則改正に向けて準備を進めています。進捗状況は、外務省や厚生労働省のホー…

質問と答弁の本文は、練馬区議会の会議録の記載をそのまま掲載しています。

会議録の原文は練馬区議会 会議録検索システムでご覧いただけます(上記の会議名と開催日でお探しください)。