議会報告 / 産業・経済

産業・経済 農業振興と食料自給率向上について 練馬区議会議員 ももかわ一郎 2023年12月5日

農業振興と食料自給率向上について

本会議 一般質問 令和5年12月05日

令和5年12月の本会議一般質問で、議員が食料自給率の向上や有機農業の推進、都市農業振興について質問しています。

※この記事は、議会での質疑をもとにした活動報告です。

米食推進による食料自給率向上と学校給食での国内産農産物活用について

肥料・飼料価格の高騰と低い食料自給率

ロシア・ウクライナ紛争の影響で、化学肥料、家畜用飼料の価格が高騰しており、2020年度比較で2倍以上になっています。

食料を輸入に頼る日本では、食料自給率が38%で、先進国では最低です。

災害・戦争等有事の際に、国民が飢える可能性があります。

食料自給率の向上は、食料安全保障の観点からも重要です。

米食推進による自給率向上効果

即効性のある解決策は、米食の推進です。

現在の日本人の1日の米の摂取量は、御飯で2.4杯、農水省の試算では、これを3倍に増やすだけで6ポイント増、1日4杯にすると15ポイント増とのことです。

また、政府の食料・農業・農村基本計画でも、2030年までに自給率を45%とするとの目標が設定されています。

米を主食とした和食の推進が重要と考えます。

東京都の米粉パン普及と練馬区の地産地消の評価

東京都が進めている、米粉パンを食べよう!TOKYO JAPANでも、食料自給率向上の観点から米粉パンの普及を進めています。

練馬区では、学校給食で地元の野菜を積極的に採用するなど、地産地消が進められており、食料自給率向上の観点からも高く評価いたします。

国内産農産物の活用増加と給食無償化後の質の担保について

学校給食での取組など、食料自給率向上に向けて、国内産の農産物を活用する回数を増やすなどの取組が必要と考えますが、練馬区の所見をお伺いします

また、給食の無償化で質が落ちている自治体もあると聞いておりますが、今後の給食の質の担保について、区の所見をお伺いします。

食料自給率と米摂取量に関する数値

現在の食料自給率質問

38

米摂取量3倍時の上昇幅質問

6ポイント

米摂取量1日4杯時の上昇幅質問

15ポイント

2030年目標自給率質問

45

区内産野菜の全校使用機会答弁

4

循環型農業(コンポスト堆肥活用)について

みどりの食料プロジェクトと世界の有機農業の広がり

肥料や飼料を輸入に頼る体制からの脱却という視点から考えられるのが、有機農業の推進です。

農水省のみどりの食料プロジェクトでは、2050年までに耕地面積の25%を有機栽培に、2040年までに主要品目の次世代有機農業技術の確立を目標としています。

既に海外では、様々な企業が有機栽培に向けた取組を行っています。

世界の状況を見ると、ヨーロッパ諸国は、有機農業への取組が進んでおり、多くの国で耕地面積の20%以上を有機農地が占めています。

また、世界の有機農業の耕地面積のトップ5に中国、インドが含まれており、アジアでも有機農業が進んでいます。

日本の有機農地の少なさと有機農業の環境的意義

一方、日本の有機農地の割合は僅か1%程度です。

海外に有機農産物の需要が高まっているのは、健康や食の安全以外でも、環境負荷が少ない、持続可能な農業への支援という側面もあります。

都市農業フェスティバルでの京都市中嶋農園の事例

先日、練馬区で開催された都市農業フェスティバルでのトークセッションで、京都市の中嶋農園から循環型農業のプレゼンがありました。

卸先の飲食店やスーパーから出される生ごみを回収し、堆肥に変えて畑の土づくりに利用しているとのことでした。

家庭用生ごみ等を利用したコンポスト堆肥の循環型農業について

家庭用生ごみ等を利用するコンポストで、堆肥を作成・活用する循環型農業に対する区の所見をお伺いします

有機農業の耕地面積割合の日本と海外の比較

日本

有機農地の割合は僅か1%程度

ヨーロッパ諸国

多くの国で耕地面積の20%以上を有機農地が占める

もうかる有機農業の推進と第3次みどりの風吹くまちビジョンについて

有機農産物の高い販売単価とアメリカの事例

有機農産物は、販売単価が高く、例えばアメリカのスーパーマーケットチェーン、ホールフーズ・マーケットでは、有機農産物の売上げの40%を占めており、販売価格も、観光農業で生産された農産物の約2倍から3倍となっており、高単価で販売されています。

新規営農者誘致と練馬区の都市農業モデル地域としての位置づけ

農地の保全の観点からも、また、農業振興の立場からも、新規営農者を積極的に練馬区に呼び込む施策は重要と考えます。

また、有機農業への取組支援は、区の経済振興にも資すると考えます。

また、練馬区は、全国都市農業フェスティバルの開催など、全国の都市農業を牽引するモデル地域となっています。

経営戦略としての有機農業推進とビジョン策定への所見について

経営戦略としてのもうかる有機農業の推進について、区の所見を伺います

こうした現状も踏まえ、第3次みどりの風吹くまちビジョン策定に向けた区の所見を併せて伺います。

有機農産物の販売価格と売上構成(アメリカの事例)

ホールフーズ・マーケット

有機農産物の売上げの40%を占める

販売価格も慣行農業の農産物の約2倍から3倍

区の答弁

<答弁のポイント>

教育振興部は、学校給食の食材料は原則国産品を使用し、区内産野菜を年4回全校で使用する機会を設けるなど区内産農産物の活用を促進していると説明しました。

物価上昇に対する食材購入費補助により給食の質と量を確保しているとのことでした。

都市農業担当部長は、有機農業は環境と共存した持続的な農業経営や食の安全確保、付加価値の高い農産物提供の面から有益と述べました。

区はコンポストシュレッダーや練馬の大地の購入補助などで農業者を支援しているものの、住宅地に隣接する区内農地では臭気の問題や農薬使用の必要性から、全工程を有機農業とすることは困難な状況にあるとの答弁でした。

区長は、都市農業を最も力を入れてきた政策の1つと位置づけ、都市農地保全推進自治体協議会の会長として国に制度改正を働きかけてきたとの認識を示しました。

第3次みどりの風吹くまちビジョンの素案を取りまとめ、引き続き都市農業の振興と都市農地の保全に全力で取り組むとの答弁でした。

区の答弁(都市農業担当部長)

答弁の全文を読む

私から、有機農業についてお答えいたします。

有機農業は、環境と共存した持続的な農業経営につながる取組であり、食の安全確保や付加価値の高い農産物の提供などの面からも、有益なものと考えています。

区では、残渣などを堆肥化できるコンポストシュレッダーや、区と民間事業者が連携して給食残渣を堆肥化した、練馬の大地の購入補助など、農業者の取組を支援しています。

住宅地に隣接する区内農地では、堆肥の臭気の問題や、最低限の農薬を使用せざるを得ないことなどから、農作業の全ての工程を有機農業とすることは困難な状況にあります

国は、有機農業の推進に向けて、技術開発を進めるとしており、国の動向や農業者の意向を踏まえながら検討してまいります。

区の答弁(教育振興部長)

答弁の全文を読む

私から、教育に関する御質問にお答えします。初めに、学校給食についてです。

練馬区の学校給食については、食材料は原則として国産品を使用することとしています。

子どもたちの都市農業への理解を深めるため、区内産農産物の活用を促進しています。

区が一括して区内産野菜を調達し、全区立小中学校が使用する機会を年4回設けているほか、各小中学校に対し、地域の農家や区内産農産物を取り扱う小売店との仲介や情報提供を行っています。

これをさらに推進するため、教育振興部、都市農業担当部に、JAを加えた連絡会議を発足し、協議を進めています。

練馬区では、昨年度から急激な物価上昇に対応するための食材購入費補助を実施し、学校給食の質と量を確保しています

今後も、安全で栄養バランスの取れたおいしい給食の提供に取り組んでいきます。

質疑のポイントとまとめ

  • 国内産農産物の活用増加と学校給食の質の担保について尋ねたのに対し、区は年4回の区内産野菜の全校使用機会や食材購入費補助による質と量の確保を挙げて答えました。
  • 家庭用生ごみを利用したコンポストによる循環型農業について尋ねたのに対し、区はコンポストシュレッダーや練馬の大地の購入補助を紹介しつつ、住宅地に隣接する区内農地では有機農業の全工程実施は困難とのことでした。
  • 経営戦略としての有機農業推進と第3次みどりの風吹くまちビジョンへの所見を尋ねたのに対し、区長は都市農業を重視してきた実績を述べ、素案を取りまとめたビジョンのもと振興と保全に取り組む姿勢とのことでした。

⇒ 学校給食における国内産・区内産農産物の活用拡大と給食の質の担保、家庭用生ごみを利用した循環型農業への支援、経営戦略としての有機農業推進を求めます

出典・議事録を見る

本会議 一般質問 令和5年12月05日

発言者 区分 原文抜粋
ももかわ一郎 委員 質問 ロシア・ウクライナ紛争の影響で、化学肥料、家畜用飼料の価格が高騰しており、2020年度比較で2倍以上になっています。 食料を輸入に頼る日本では、食料自給率が38%で、先進国では最低…
ももかわ一郎 委員 質問 肥料や飼料を輸入に頼る体制からの脱却という視点から考えられるのが、有機農業の推進です。 農水省のみどりの食料プロジェクトでは、2050年までに耕地面積の25%を有機栽培に、2040…
ももかわ一郎 委員 質問 有機農産物は、販売単価が高く、例えばアメリカのスーパーマーケットチェーン、ホールフーズ・マーケットでは、有機農産物の売上げの40%を占めており、販売価格も、観光農業で生産された農産…
前川燿男区長 答弁 お答えいたします。 今後の政策展開についてです。 平成30年に練馬区の目指すべき将来像を示すグランドデザイン構想を策定し、全国自治体を先導する多数の政策、練馬区モデルを実現してきま…
都市農業担当部長 答弁 私から、有機農業についてお答えいたします。 有機農業は、環境と共存した持続的な農業経営につながる取組であり、食の安全確保や付加価値の高い農産物の提供などの面からも、有益なものと考え…
教育振興部長 答弁 私から、教育に関する御質問にお答えします。 初めに、学校給食についてです。 練馬区の学校給食については、食材料は原則として国産品を使用することとしています。子どもたちの都市農業への…

質問と答弁の本文は、練馬区議会の会議録の記載をそのまま掲載しています。

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