議会報告 / 区政・財政
固定資産税の地方再配分と都区財政調整について
予算特別委員会 令和8年2月18日 都区財調、財政計画他
令和8年2月18日の予算特別委員会で、議員が都区財政調整方針について、税制改正大綱に盛り込まれた固定資産税の地方再配分の動きと練馬区への影響について質問しています。
※この記事は、議会での質疑をもとにした活動報告です。
練馬区が普通交付金上位に位置している要因について
税制改正大綱による固定資産税の地方再配分の方針
私からは、資料1、都区財政調整方針について御質問いたします。
先ほど来、他会派からも質問がありましたけれども、税制改正大綱の固定資産税の地方再配分について御質問いたします。
与党の税制改正大綱では、東京都23区の税収偏在是正を進める方針が明記されております。
その中で、固定資産税について、東京都が課税する特別区の土地に関する固定資産税について、著しく税収が偏在している状況に鑑み、必要な措置を検討し、令和9年度以降の税制改正において結論を得るとあります。
23区の固定資産税シェア拡大と財政調整の仕組み
23区の固定資産税は地価上昇で全国に占めるシェアが25%にも拡大しております。
23区の固定資産税は東京都が一括徴収し、56%を特別区の財政調整交付金として区に配分しております。
今回、固定資産税の再配分措置が導入されれば調整財源プールが減少することになります。
特に練馬区では住宅地中心の23区の外縁エリアでありまして、区の税収が需要額を下回るため、財政調整交付金に大きく依存しております。
調整財源が減少すれば需要額に応じた交付金が減少し、子育て、福祉、インフラ整備などの一般財源が圧迫されると認識しております。
練馬区の普通交付金シェアが上位である要因について
先ほど他会派からの質問でもあったのですが、練馬区の普通交付金のシェアについて3位とあったのですけれども、練馬区が普通交付金上位に位置している要因について教えてください。
<答弁のポイント>
財政調整交付金は需要額から収入額を差し引いた財源不足額で算定される仕組みで、人口35万人の標準区の需要をもとに算出するとのことでした。
収入額は区税など主要財源の過去3年平均の85%を用いるため、所得の高い区民が多い区ほど収入額が多くなり交付金は少なくなるとのことでした。
世田谷区と比較すると、練馬区より世田谷区の方が所得が高い区民が多く収入額が多い算定になっていると考えられるとの答弁でした。
区の答弁(財政課長)
答弁の全文を読む
財政調整交付金につきましては、需要額から収入額を差し引いた財源不足額が算定される仕組みになってございます。
需要額については標準区の需要を算出いたします。
いわゆる人口35万人の架空の区の需要を算出して、それを人口や道路面積、学校数などの測定単位で単位費用を算出して、それを各区の数字に当てはめる形になります。
当然人口等の規模が大きければ需要額も大きくなるということです。
一方で、収入額は区税などの主要財源について過去3年平均の85%が算定されております。
所得の高い区民が多い区ほど収入額が多くなって需要額との差額は小さくなります。
例えば、一番人口が多い世田谷区と練馬区を比較すると、練馬区の方が頂いている財政調整交付金が多いのは、恐らく世田谷区の方が若干所得が高い区民の方が多い、収入額が多い算定になっていると考えてございます。
固定資産税の地方への再分配は地方税制の根幹を真っ向から否定する行為
練馬区への影響試算
今回、練馬区の影響はどのぐらいになるのか仮で試算してみたのですけれども、東京都の固定資産税が令和7年時点で1.5兆円。
そのうち、仮に全体の税収の2割、3,080億円が地方に配分されたと仮定しますと、3,080億円掛ける56%で1,725億円あります。
1,725億円で先ほどのシェアが8.7%ぐらいで、150億円ぐらいになります。
ふるさと納税の流出額の2倍以上の税源が消えることになります。
一般財源に150億円もの穴が空くことになりまして、区の義務的経費も大幅に圧縮されてしまいます。
固定資産税の吸い上げ対象は主に都心中心部の商業地であるため、練馬区は税収における影響は少ないけれども、財源プールの全体の縮小で受ける影響が相対的に大きい構造になっております。
試算の前提
今回の試算はあくまで仮の話で、固定資産税の2割が全国、地方に分配される前提ではありますけれども、ラインとしては十分に可能性があるのではないかと思っております。
今般の国の固定資産税の地方への再分配について、区の見解をお尋ねいたします。
議員が試算した固定資産税再配分の影響
東京都の固定資産税(令和7年時点)質問
1.5兆円
仮定:地方配分額(全体の2割)質問
3,080億円
特別区財政調整交付金への影響額質問
1,725億円
練馬区への影響額(シェア約8.7%)質問
150億円
固定資産税の地方配分は地方交付税との二重調整に近い
基本的に地方への財政調整は地方交付税で行うのが原則であると思っております。
地方交付税は既に東京の財源を吸い上げて地方に配分する機能は果たしているので、今回の固定資産税の地方配分は二重調整に近い形になると思っております。
今後も積極的に東京都、国に要望を出していくことが喫緊の課題であると考えております。
議会でもしっかりと意見書等を上げるなどの対応が必要ですが、ぜひ対応をよろしくお願いいたします。
質疑のポイントとまとめ
- 練馬区の普通交付金が上位である要因を尋ねたのに対し、区は財政調整交付金の算定方法を説明し、所得の高い区民が多い区ほど収入額算定が多くなり交付金が少なくなる仕組みだとのことでした。
- 固定資産税の地方再配分による練馬区への影響を試算した上で区の見解を尋ねたのに対し、区は不合理な税制改正は地方自治の本旨をゆがめるもので根本的に間違っており、応益性の原則を否定する行為だとの回答でした。
⇒ 固定資産税の地方再配分について、東京都や国に地方税財源の充実確保と非合理な税制の是正を積極的に要望していくこと、また議会としても意見書等を上げること
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| 発言者 | 区分 | 原文抜粋 |
|---|---|---|
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 私からは、資料1、都区財政調整方針について御質問いたします。 先ほど来、他会派からも質問がありましたけれども、税制改正大綱の固定資産税の地方再配分について御質問いたします。 与党の… |
| 財政課長 | 答弁 | 財政調整交付金につきましては、需要額から収入額を差し引いた財源不足額が算定される仕組みになってございます。需要額については標準区の需要を算出いたします。いわゆる人口35万人の架空の… |
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 今回、練馬区の影響はどのぐらいになるのか仮で試算してみたのですけれども、東京都の固定資産税が令和7年時点で1.5兆円。そのうち、仮に全体の税収の2割、3,080億円が地方に配分され… |
| 財政課長 | 答弁 | 与党の税制改正大綱に盛り込まれた今般の税源偏在是正の検討は、規模や内容については現時点では不明でございますので、委員がおっしゃる数字については仮定の話と受け止めさせていただきます。… |
質問と答弁の本文は、練馬区議会の会議録の記載をそのまま掲載しています。
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