議会報告 / 防災・安全
米の備蓄と食料安全保障について
本会議 一般質問 令和7年06月16日
令和7年6月16日の本会議一般質問で、議員が米不足を契機とした食料安全保障の確保について質問しています。国の備蓄目標の引き上げ、学校給食での米の備蓄、緊急一時避難施設との連携について取り上げました。
※この記事は、議会での質疑をもとにした活動報告です。
国の備蓄目標引き上げと備蓄倉庫の空き容量について
米不足の構造的な脆弱性
現在米不足が大きな問題となっています。
日本における米の生産量は長期的な消費量の減少傾向を受け、供給過剰を防ぐために政府主導で生産調整、減反政策が行われてきました。
これにより年間生産量は需要額とほぼ同水準の700万トン台で推移しています。
しかし、消費量の減少に合わせて作付面積を絞り込んだ結果、国内の需給バランスは需要ぎりぎりの生産量となっており、一度異常気象などで生産量が大きく落ち込むとたちまち供給不足に陥るという構造的な脆弱性を露呈しました。
独自備蓄の検討を
今回の米不足の危機を契機に、食料自給と米の備蓄の在り方を見直し、市場の大きな混乱時には早急にかつ柔軟に放出できる仕組みを検討すべきと考えます。
食料安全保障と防災の観点から、区においても政府の備蓄米以外に可能な限り独自の米の備蓄を進めるべきと考えます。
国の備蓄目標引き上げの予定と区の備蓄倉庫の空き容量について
今後の米不足を契機に国際情勢の変化や天候不良、有事の際を想定して、国が定めている備蓄目標を引き上げる予定はないのでしょうか、また現状の備蓄倉庫の空き容量を把握していれば教えてください。
区の備蓄体制の現状
備蓄倉庫数答弁
24か所
倉庫スペース利用率答弁
8割から9割
避難拠点1か所あたりの備蓄人数分答弁
700人分(1日分)
学校給食用の米備蓄と政府備蓄米交付事業について
東京都の食料自給率と区内備蓄の必要性
東京都は食料自給率がゼロ%に近く、有事の際に食料が不足する可能性が高いという現状があります。
今般の米不足や米の備蓄に対する関心が高まっていることを踏まえ、食料安全保障の観点からも区内の備蓄を増やすための取組が必要と考えます。
そこで、公立学校での米の備蓄への対応についてお聞きいたします。
関連して学校給食用等政府備蓄米交付事業についてお尋ねします。
学校給食での米の備蓄と政府備蓄米交付事業の実施状況について
公立学校の学校給食で使用する米の備蓄を積極的に行う仕組みを検討できないでしょうか。
学校給食で使用する米を備蓄し、給食に使用しながらローテーションで消費していく方式を採用することで、賞味期限切れの心配がなく、常に新鮮な状態の米が確保でき、各学校に備蓄拠点が分散されることで災害時のアクセス性が高まるなど、メリットは大きいと考えますが、区の見解をお聞かせください。
現在農水省では米の備蓄制度への理解促進、学校給食で米飯を提供する食育の推進、フードバンク等への支援などのために備蓄米の交付事業を行っていますが、区の実施状況の有無や今後の方針について教えてください。
学校給食における米の管理状況
米の配送頻度答弁
週に1回
最大保管日数答弁
5日分
備蓄倉庫を緊急一時避難施設として整備することについて
地下シェルター整備と会派の提言
さらに米の備蓄を進めるメリットとして、災害時の食料確保という以外にも有事の際の緊急一時避難施設として利用するというアイデアもあると思います。
先日日経新聞の地下シェルター1,000万人分準備と題した記事の中で、政府が他国からのミサイル攻撃に対応した地下設備の整備を進める方針が示されました。
我が会派はかねてより他国からのミサイル攻撃に対応するため、地下シェルター等緊急一時避難施設の整備を進めるよう区に提言してきました。
備蓄倉庫を緊急一時避難施設として活用する整備について
練馬区における取組として建物や地下施設等を活用した備蓄倉庫を新設、拡充し、緊急一時避難施設地域を兼ねた施設として整備することは可能でしょうか、見解をお伺いします。
緊急一時避難施設の指定状況
区内の指定施設数答弁
425か所
区の答弁
<答弁のポイント>
米の生産調整や備蓄の在り方は国が定めるものであり、国における議論の動向を注視するとの説明でした。
区独自に米の備蓄を行う考えはないとのことでした。
備蓄倉庫は区内24か所を確保し、現在スペースのおおむね8割から9割を物資保管に利用しているとの答弁でした。
学校給食では食品納入業者と年度当初に契約し、年間を通じて必要な量の米を確保しているとの説明でした。
米は週に1回程度配送され、最大で5日分を保管しており、長期保管には温度・湿度の管理が必要なため学校給食での米の備蓄は行わないとのことでした。
政府備蓄米交付事業は米飯給食の回数増加に活用しているとの答弁でした。
武力攻撃を想定した緊急一時避難施設は国民保護法等に基づき都が指定しており、区内425か所の施設が指定されているとの説明でした。
シェルター整備等については国や都において調査、検討が進められており、その動向を注視するとのことでした。
区の答弁(危機管理室長)
答弁の全文を読む
私から食料の備蓄についてお答えします。
米の生産調整や備蓄の在り方、食料需給等については国が定めるものです。
今般の米不足への対応は現在国において議論されており、その動向を注視してまいります。
区独自に米の備蓄を行う考えはありません。
災害時の備蓄については都区間の役割分担に基づき、食料は区が1日分をそれ以降は都が備蓄、調達することとしています。
区は避難拠点1か所当たり700人の1日分の食料や飲料水等を備蓄しています。
物資の不足が生じた場合には区備蓄倉庫から輸送します。
2日目以降は国や都からの支援物資等を区の輸送拠点で受け入れ、各避難拠点に配送します。
備蓄倉庫については区内24か所を確保しており、現在スペースのおおむね8割から9割を物資保管に利用しています。
武力攻撃を想定した緊急一時避難施設は国民保護法等に基づき、都において区からの区立施設等の情報提供により地下鉄駅などを含む区内425か所の施設が指定されています。
シェルター整備等については国や都において調査、検討が進められており、活用方法を含めその動向を注視してまいります。
学校給食では安定した米飯給食を提供するため、食品納入業者と年度当初に契約を締結し、年間を通じて必要な量の米を確保しています。
米は週に1回程度学校に配送され、最大で5日分を保管し使用しています。
長期保管には温度、湿度の管理が必要となることから、学校給食についても米の備蓄を行う考えはありません。
学校給食用等政府備蓄米交付事業については国が米飯給食を推奨していることから、現在区立小中学校で米飯給食の回数の増加に活用しています。
質疑のポイントとまとめ
- 国の備蓄目標の引き上げ予定と区の備蓄倉庫の空き容量を尋ねたのに対し、区は国の動向を注視するとし、区独自の米備蓄は行わないと答え、備蓄倉庫はスペースの8割から9割を利用しているとのことでした。
- 学校給食での米の備蓄とローテーション消費の仕組みを検討できないか尋ねたのに対し、区は長期保管に温度・湿度管理が必要なことを理由に備蓄は行わないとし、政府備蓄米交付事業は米飯給食の回数増加に活用しているとの回答でした。
- 備蓄倉庫を緊急一時避難施設として整備できないか尋ねたのに対し、区は都が国民保護法等に基づき区内425か所を指定済みとし、シェルター整備は国や都の動向を注視するとの答弁でした。
⇒ 国が定める備蓄目標の引き上げ状況の確認と、学校給食での米の備蓄の仕組みの検討、備蓄倉庫を活用した緊急一時避難施設の整備を求めます。
出典・議事録を見る
| 発言者 | 区分 | 原文抜粋 |
|---|---|---|
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 現在米不足が大きな問題となっています。 日本における米の生産量は長期的な消費量の減少傾向を受け、供給過剰を防ぐために政府主導で生産調整、減反政策が行われてきました。 これにより年間… |
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 東京都は食料自給率がゼロ%に近く、有事の際に食料が不足する可能性が高いという現状があります。 今般の米不足や米の備蓄に対する関心が高まっていることを踏まえ、食料安全保障の観点からも… |
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | さらに米の備蓄を進めるメリットとして、災害時の食料確保という以外にも有事の際の緊急一時避難施設として利用するというアイデアもあると思います。 先日日経新聞の地下シェルター1,000… |
| 危機管理室長 | 答弁 | 私から食料の備蓄についてお答えします。 米の生産調整や備蓄の在り方、食料需給等については国が定めるものです。今般の米不足への対応は現在国において議論されており、その動向を注視してま… |
質問と答弁の本文は、練馬区議会の会議録の記載をそのまま掲載しています。
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