議会報告 / 産業・経済
労働者不足対策と就職氷河期世代支援について
本会議 一般質問 令和7年06月16日
令和7年6月16日の本会議一般質問で、議員が労働者不足対策として、就職氷河期世代の就労支援や若年女性支援事業について質問しています。
※この記事は、議会での質疑をもとにした活動報告です。
外国人労働者を優遇し日本の労働力を置き換える政府方針は「ゆゆしき事態」
技能実習制度の変遷と外国人労働者の増加
日本の失われた30年と呼ばれる経済の停滞と日本人の平均所得を大幅に押し下げた要因として、90年代後半から急速に進んだ規制緩和による派遣労働者の増加、正規社員の非正規化と並んで技能実習制度による安い労働者としての外国人の大量流入が挙げられます。
技能実習制度は、2024年の法改正により従来の途上国への技能移転による国際貢献という名目から、日本の人手不足を補うための労働力確保を目的とした育成就労制度へと改正され、人手不足分を外国人で埋めて解消するという方針に明確にかじを切りました。
就職氷河期世代が置かれている状況
このように外国人労働者を優遇し、日本の労働力を外国人に置き換える政府方針の陰で割を食っているのが2,000万人いると言われている就職氷河期世代の日本人です。
就職氷河期世代は就職難から非正規雇用を余儀なくされた方が多く、年収の大幅減や雇用の不安定さから将来見通しが持てない。
消費をしない。結婚しない。
子どもを持たないという現在の経済の低迷や少子化の原因ともなっており、人手不足を解消するにはまずこの就職氷河期世代の有効活用が不可欠です。
外国人への置き換えへの懸念
しかし、日本の労働者不足を安易に外国人に置き換える仕組みが出来上がっていることはゆゆしき事態であり、若年外国人に単純労働、技術職が奪われている現状を深く憂慮しております。
就職氷河期世代の就労対策を最優先すべきではないか
労働者不足解消のためには外国人の就業支援よりも、まずこの就職氷河期世代の就労対策を最優先すべきと考えますが、区の見解をお伺いします。
既存の就労支援策の就職氷河期世代向け拡充について
年金制度の見直しと中高年層の活用可能性
さらに就職氷河期世代の人材については、昨今の年金受給開始年齢70歳引上げ案や保険料納付期間の65歳延長案なども考慮すれば、中高年でも新たなスキルの取得や就労訓練により十分に活用できると考えます。
既存の就労支援を就職氷河期世代向けに拡充すべきではないか
区が行っているねりま若者サポートステーションや生活サポートセンターなどの既存の就労支援をさらに就職氷河期世代向けに拡充する必要があると考えますが、区の考えをお聞かせください。
次に、若年労働力の活用の観点から困難な問題を抱える若者支援についてお尋ねします。
路上売春は弱者救済とは別の観点が必要
トー横・大久保公園を巡る問題事例
先日歌舞伎町のトー横に集う若者を支援する活動をしてきた公益社団法人日本駆け込み寺の事務局長の男が相談者の女性とコカインを吸引したとして警視庁に逮捕された事件がありました。
歌舞伎町のトー横キッズや大久保公園の立ちんぼと呼ばれる路上売春が問題となっておりますが、東京都の助成対象となっている怪しげな非営利団体が弱者救済を隠れみのにこうした不法行為を起こす事態が散見され、おためごかしの助成金目当ての公金チューチューではないかという批判も免れません。
路上売春の実態と社会的背景
歌舞伎町のトー横キッズや立ちんぼ女性は、今般の女性支援新法での困難な問題を抱える女性の顕在化している典型事例として捉えられると考えますが、特に路上売春については生活困窮や性暴力、性犯罪被害といった弱者救済とは別の観点が必要です。
彼女たちの目的はホストやメンコン、地下アイドルなどの推し活への貢ぎ資金を稼ぐための売春行為が大半で、そこには対人関係のゆがみ、道徳や社会性の欠如、短期的な高収入への執着、承認欲求のゆがんだ充足などがあります。
また、世間では、買春する男性側をパパ活と呼ぶなど弱者への援助というニュアンスが暗黙に容認され、路上売春という違法行為防止の啓発という観点が不足しています。
困難な問題を抱える若年女性支援事業と就労への教育・啓発について
区は今年度から困難な問題を抱える若年女性支援事業を開始しますが、区の事業に対する考えをお聞かせください。
また、労働力不足の対策として、こうした若年層に対して単に支援を施すというアプローチではなく、正常な社会生活へと誘導する、あるいは真っ当な就労へと導くための教育、啓発をベースにしたカリキュラムも必要と考えますが、区の見解を併せて伺います。
区の答弁
<答弁のポイント>
区は昨年度から求職者と事業者のマッチング交流会や合同企業説明会を実施しており、参加者は就職氷河期世代が過半を占めているとのことでした。
相談ブースの設置やセミナーなど丁寧な就職活動支援を行っているとの説明でした。
生活サポートセンターでも同世代の利用が最も多いとのことでした。
区は昨年度から求職者と事業者のマッチング交流会や合同企業説明会を実施しており、参加者は就職氷河期世代が過半を占めているとのことでした。
生活サポートセンターでも平成27年度から相談支援やハローワークと連携した就職あっせんを行い、同世代の利用が最も多いとの説明でした。
区は令和6年4月施行の困難な問題を抱える女性への支援に関する法律に基づき、東京都女性相談支援センター等と連携した一時保護や就労・生活支援を実施しているとのことでした。
本年4月から若年女性向けの居場所事業を開始し、7月からLINE相談を始めるとの説明でした。
関係機関からなる支援調整会議を新たに設置するとのことでした。
区の答弁(総務部長)
答弁の全文を読む
私から女性支援についてお答えします。
性的な被害や家庭の状況などにより社会生活を営む上で困難な問題を抱える女性を支援するため、令和6年4月に困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が施行されました。
これに伴い女性の保護更生を目的とする売春防止法の枠組みは女性の福祉の増進等を目的とした支援を行うよう改められました。
特に若年女性に対しては民間団体と連携した支援の強化が求められています。
困難な問題を抱える女性が暴力等から逃れ自分らしさを取り戻せるようになるためには、安全の確保や心のケア、経済的自立など多くの支援が必要です。
区では東京都女性相談支援センターなどと連携し、一時保護や就労・生活支援等を実施しています。
本年4月から女性自立支援施設や民間団体との協働により、困難な問題を抱える若年女性を対象とした居場所事業を男女共同参画センターえーると民間のカフェで実施しています。
7月からはLINE相談を開始します。
就労など自立に向けた支援を適切かつ円滑に行うため、関係機関や民間団体などからなる支援調整会議を新たに設置し、個別ケースについて支援内容や支援の方向性を協議していきます。
引き続き困難な問題を抱える女性がそれぞれの意思が尊重されながら最適な支援を受けられるよう取り組んでいきます。
区の答弁(産業経済部長) 就職氷河期世代の就労支援
答弁の全文を読む
次に、就職氷河期世代の就労支援についてです。
区は昨年度から様々な業種の事業者と求職者をマッチングする交流会や合同企業説明会を実施しています。
区内事業者への就職を希望する方ならどなたでも応募できることとしていますが、参加者は40代から50代の就職氷河期世代の方が過半となっています。
合同企業説明会の会場にはキャリアコンサルタントの相談ブースを配置して就職相談に対応するなど、丁寧に就職活動を支援しています。
併せて実践的なスキルを身につけられるようビジネスマナー等の求職者向けセミナーも実施しています。
生活サポートセンターにおいても平成27年度から自立に関する相談支援やハローワークと連携した就職のあっせんなどを行っており、就職氷河期世代の方が最も多く利用されています。
引き続き庁内で連携しながら就労支援に取り組んでまいります。
質疑のポイントとまとめ
- 就職氷河期世代の就労対策を外国人の就業支援より最優先すべきと質したのに対し、区は合同企業説明会等を実施し参加者の過半が就職氷河期世代であるとの回答でした。
- 既存の就労支援策を就職氷河期世代向けにさらに拡充すべきと質したのに対し、区からは生活サポートセンター等での支援状況について説明がありました。
- 困難な問題を抱える若年女性支援事業への考えと、就労へ導く教育・啓発カリキュラムの必要性を質したのに対し、区は本年4月から居場所事業を開始し、7月からLINE相談を始めるとのことでした。
⇒ 就職氷河期世代の就労対策を最優先とすること、既存の就労支援策を就職氷河期世代向けに拡充すること、若年層に対し真っ当な就労へと導く教育・啓発をベースにしたカリキュラムを整備すること
出典・議事録を見る
| 発言者 | 区分 | 原文抜粋 |
|---|---|---|
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 日本の失われた30年と呼ばれる経済の停滞と日本人の平均所得を大幅に押し下げた要因として、90年代後半から急速に進んだ規制緩和による派遣労働者の増加、正規社員の非正規化と並んで技能実… |
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | さらに就職氷河期世代の人材については、昨今の年金受給開始年齢70歳引上げ案や保険料納付期間の65歳延長案なども考慮すれば、中高年でも新たなスキルの取得や就労訓練により十分に活用でき… |
| ももかわ一郎 委員 | 質問 | 先日歌舞伎町のトー横に集う若者を支援する活動をしてきた公益社団法人日本駆け込み寺の事務局長の男が相談者の女性とコカインを吸引したとして警視庁に逮捕された事件がありました。 歌舞伎町… |
| 総務部長 | 答弁 | 私から女性支援についてお答えします。 性的な被害や家庭の状況などにより社会生活を営む上で困難な問題を抱える女性を支援するため、令和6年4月に困難な問題を抱える女性への支援に関する法… |
| 産業経済部長 | 答弁 | 次に、就職氷河期世代の就労支援についてです。 区は昨年度から様々な業種の事業者と求職者をマッチングする交流会や合同企業説明会を実施しています。区内事業者への就職を希望する方ならどな… |
質問と答弁の本文は、練馬区議会の会議録の記載をそのまま掲載しています。
会議録の原文は練馬区議会 会議録検索システムでご覧いただけます(上記の会議名と開催日でお探しください)。