議会報告 / 産業・経済

産業・経済 太陽光パネル設置義務化の問題点について 練馬区議会議員 ももかわ一郎 2024年9月11日

太陽光パネル設置義務化の問題点について

本会議 一般質問 令和6年09月11日

令和6年9月11日の本会議一般質問で、区議が東京都の太陽光パネル設置義務化に伴う区民の負担と、震災時の太陽光パネルの防災上の問題点について質問しています。

※この記事は、議会での質疑をもとにした活動報告です。

太陽光パネル設置義務化は区民には全くメリットがなく負担ばかりが大きい天下の愚策

再エネ賦課金による電気代高騰の構造

区民の経済状況は逼迫しており、その要因の一つとなっているのが原油価格等の高騰によるインフレ及び電気代の高騰です。

近年、地球温暖化や脱炭素の掛け声の下、我が国においても再生エネルギー推進の柱としてメガソーラー事業や太陽光発電が進められていますが、最近では再エネの高コストがネックとなり、欧米各国でも脱EV化が進行しています。

そもそも太陽光発電をはじめとする再生エネルギーの推進は、2011年、当時の菅直人総理の肝煎りで成立したFIT法の固定価格買取り制度の発足を契機としており、太陽光パネルの乱立は国が主導した再エネ投資バブルのなれの果てでありまして、現在、日本各地の野山を切り崩して太陽光パネルが敷き詰められている惨状を見るにつけ、心が痛む思いです。

太陽光発電事業は、2012年の時点では1キロワット当たり40円の買取り価格で20年間国が保障するという破格の条件であったため、目ざとい事業者や投資家が群がりました。

実際に、中国外資の上海電力やソフトバンクなどは、この時期に大々的にメガソーラー事業に参入しております。

しかし、費用対効果でペイする条件で参入できた事業者はごく一部で、事実、ソフトバンクエナジーは2023年にメガソーラー事業を売却、利益確定済みでありまして、太陽光発電は事業投資としては完全に破綻しているオワコン案件です。

何より問題なのは、こうした一部の企業の利益のために、我々国民が再エネ賦課金という形で電気代に上乗せされた多大なツケを払わなくてはいけない構造です。

御承知のように、最近の再エネ賦課金は1キロワット当たり3.49円と過去最高額に跳ね上がっており、今後も固定価格買取りの期限を迎える2030年まで値上げが予想され、電気代高騰は今後も区民の生活を圧迫することが予想されます。

都の太陽光パネル設置義務化は天下の愚策

こうした中、東京都が2025年から実施する新築住宅の太陽光パネル設置義務化は、太陽光パネル関連企業、それを推進する政治家だけに利益があり、区民には全くメリットがなく、負担ばかりが大きい天下の愚策と言えます。

第1に、太陽光パネルの設置を義務づけられるユーザーのコスト負担が甚大であることが挙げられます。

設置義務化による子育て世帯への隠れたコスト負担

大手住宅メーカーにヒアリングしたところ、25年以降の新築建て売り住宅価格は5,000万円前後の戸建てで、およそ500万円から600万円ほど価格が上がるとのことでした。

また、3年から5年ごとにメンテナンスが必要で、10年目以降に不具合が発生して代替部品がない場合は、修理ができずにパネル等設備一式が交換となり、その場合は廃棄費用も含め新たに数百万円の費用がかかるとのことです。

こうした太陽光パネル設置義務化のデメリットは、まだ一般的には話題が出ておりませんが、ただでさえ再エネ賦課金で電気代が高騰して家計を圧迫している中、こうした数百万円単位にもなる隠れたコストをこれからの練馬区を担う子育て世帯に負担させるという、極めて無責任な制度です

新築住宅を購入する子育て世帯へのランニングコスト補助の検討について

練馬区では2025年以降、新築住宅を購入する子育て世帯の負担軽減のため、太陽光パネル設置に係るランニングコストに対する補助や補填を行う予定は検討されているのでしょうか。

太陽光パネル設置義務化に関する数値

都が見込む新築住宅着工数答弁

46,000

年間

再エネ賦課金質問

3.49円/キロワット

過去最高額

新築建て売り住宅価格の上昇質問

500万円から600万円

5,000万円前後の戸建ての場合

震災時の太陽光パネルからの出火や崩落による被害拡大の懸念について

能登半島地震での太陽光発電施設破損事故

さらに、太陽光パネルの防災上の問題点についてお尋ねします。

能登半島の地震で太陽光発電施設が破損、崩落する事故が相次ぎました。

破損したパネルは感電や火災の危険もあります。

区は震災時を想定した初期出火対応にも力を入れていると認識しておりますが、太陽光パネルからの出火によって被害が拡大する事態を懸念しております

震災発生時の太陽光パネルの発火・崩落対策と被害想定について

区は、震災発生時に太陽光パネルからの発火や屋根からの崩落、破損について、どの程度検討や対策を行っているのでしょうか。

また、それに伴う被害想定はどのように見積もっているのでしょうか。お答えください。

区の答弁

<答弁のポイント>

都の建築物環境報告書制度により、令和7年4月から中小規模新築建物に太陽光発電設備等の設置が義務化される見込みとの説明でした。

区は既存住宅向けにカーボンニュートラル化設備設置等補助金による支援を行っているものの、維持管理や交換、廃棄費用について区独自に補助する考えはないとのことでした。

首都直下地震等の東京の被害想定では、火気・電熱器具等を出火要因とし、屋外落下物被害は建物の構造や年次等により算出されているものの、太陽光パネルを個別要因とした被害想定は示されていないとのことでした。

都や区のホームページで設備導入・維持管理の注意点や災害リスクについて周知啓発しているとの説明でした。

区の答弁(環境部長)

答弁の全文を読む

私から、太陽光パネルの設置義務化についてお答えします。

都は、令和7年4月より、中小規模新築建物に対して建築物環境報告書制度を創設し、建物の供給規模が一定以上の事業者に太陽光発電設備の設置等を義務化し、年間約4万6,000棟の新築住宅の着工を見込んでいます。

区は、既存住宅の省エネ・再エネ設備の導入を促進するため、カーボンニュートラル化設備設置等補助金を通じて、太陽光発電設備等の設置について補助しています。

現在のところ、区独自に維持管理や交換、廃棄について補助する考えはありません

引き続き、国や都の動向を注視してまいります。

区の答弁(環境部長) 災害時の太陽光パネルによる被害想定

答弁の全文を読む

次に、災害時の太陽光パネルによる被害想定についてです。

首都直下地震等による東京の被害想定では、火災による建物被害は、火気・電熱器具、電気機器・配線等について出火要因としています。

また、屋外落下物による被害は、建物の構造や年次、危険性のある落下物等の保有状況などにより算出されています。

太陽光パネルを個別要因とした被害想定は示されていません

太陽光パネルは法令等の基準に基づき設置されますが、より安心して利用いただけるよう、都は設備導入及び維持管理における注意点や、災害リスク等について周知啓発しています。

また、区のホームページにおいても都と同様の内容を掲載しています。

引き続き、災害発生時に備え、電気設備等による出火、延焼防止、落下物の防止等の対策に取り組んでまいります。

質疑のポイントとまとめ

  • 東京都が2025年から実施する新築住宅の太陽光パネル設置義務化について、子育て世帯への隠れたコスト負担を問題視し、区独自のランニングコスト補助の検討を尋ねましたが、区は独自に補助する考えはないとのことでした。
  • 能登半島地震での太陽光発電施設の破損・崩落事故を踏まえ、震災発生時の出火や崩落による被害拡大への対策と被害想定を尋ねましたが、区は太陽光パネルを個別要因とした被害想定は示されていないとの回答でした。

⇒ 新築住宅を購入する子育て世帯の負担軽減のため、太陽光パネル設置に係るランニングコストへの補助や補填を求めます。

出典・議事録を見る

本会議 一般質問 令和6年09月11日

発言者 区分 原文抜粋
ももかわ一郎 委員 質問 区民の経済状況は逼迫しており、その要因の一つとなっているのが原油価格等の高騰によるインフレ及び電気代の高騰です。 近年、地球温暖化や脱炭素の掛け声の下、我が国においても再生エネルギ…
ももかわ一郎 委員 質問 さらに、太陽光パネルの防災上の問題点についてお尋ねします。 能登半島の地震で太陽光発電施設が破損、崩落する事故が相次ぎました。 破損したパネルは感電や火災の危険もあります。 区は震…
環境部長 答弁 私から、太陽光パネルの設置義務化についてお答えします。 都は、令和7年4月より、中小規模新築建物に対して建築物環境報告書制度を創設し、建物の供給規模が一定以上の事業者に太陽光発電設…
環境部長 答弁 次に、災害時の太陽光パネルによる被害想定についてです。 首都直下地震等による東京の被害想定では、火災による建物被害は、火気・電熱器具、電気機器・配線等について出火要因としています。…

質問と答弁の本文は、練馬区議会の会議録の記載をそのまま掲載しています。

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